この数ヶ月の間に、ビッグデータと自動化を利用して個人向けローンの査定を行う2つの新時代のフィンテックが躍進しました。
レンディングクラブ(LC)とアップスタート(UPST)は、過去3ヶ月でそれぞれ93%と57%上昇しました。
両社は多くの点で似ています。両社ともビッグデータと人工知能を利用して、より多くのローンを承認すると同時に、主にFICOスコアを利用するほとんどのクレジットカード会社よりも低い金利を提供しています。
また、両社ともマーケットプレイスモデルを採用しており、パートナーの引受基準に基づいて、パートナーの銀行やアセットマネージャーに自社のローンを再販しています。
第2四半期決算の数字を見ても両社の数字は非常によく似ていますが、市場の評価である時価総額には大きな開きがあります。
ローン組成額 | マーケットプレイス売上 | 総売上 | 純利益 | 時価総額 | |
レンディングクラブ | 2,722百万ドル | 151.7 百万ドル | 204.4百万ドル | 9.4百万ドル | 31億ドル |
アップスタート | 2,795百万ドル | 187.3 百万ドル | 193.9 百万ドル | 37.3百万ドル | 192億ドル |
もうひとつ両社の開きが大きいのが純利益ですが、これはビジネスモデルの違いに由来しています。
レンディングクラブは2月にRadius Bankを買収し、銀行免許を取得しました。「純粋な」マーケットプレイスであるアップスタートとは異なり、レンディングクラブは今後、ローンの15%から25%を自社のバランスシートで保有することになります。
レンディングクラブ は、自社のバランスシート上に保有するローンの期間中、より多くの総利益を得ることになりますが、一方で、新規ローンから現行の予想信用損失(CECL)を前もって差し引かなければならず(貸倒引手当金のようなもの)、その額は第2四半期で合計 3,460 万ドルにのぼりました。
これを差し引けば、レンディングクラブ は アップスタートよりも実際には利益を上げていたことになります。
両社とも、AIによるローン査定というエキサイティングな分野を開拓しており、それが印象的な結果につながっています。しかし、レンディングクラブの評価がアップスタートの6分の1であることを考えると、現時点ではレンディングクラブの方がお買い得かもしれません。
アップスタートの購入で出遅れたと感じている方は、御一考されてはいかがでしょうか。
*レンディングクラブの詳細についてはこちら「レンディングクラブ 消費者金融のイノベーターは今が買い時?」