アップスタート 株価が高騰した3つの理由

アップスタート・ホールディングス(UPST)が8月10日に発表した第2四半期の数字は圧倒的なものでした。そのため、株価は発表後、二日間で50%も上昇しています。「アップスタート 決算発表後に高騰

アップスタートは人工知能を使って銀行のためにローンを組成します。同社が開発した独自のモデルにより、同じレベルのリスクであれば、175%多くのローンを承認できるとしています。

個人向けローンなどの無担保金融を始め、最近では自動車ローンにも進出しています。ここでは、同社の取り組みが大きな成果を上げていることを示す、直近の四半期における3つの重要なポイントを紹介します。

売上は1,000%以上の伸び

アップスタートは昨年12月に上場しましたが、市場は同社のビジネスモデルを高く評価しており、株価は取引初日から約600%上昇しました。

売上高の急速な増加は、同社が技術を活用して規模を拡大し続けているため、同社の成長をもたらす主な要因の1つとなっています。

アップスタートの売上の97%以上は手数料ベースで、同社のプラットフォームが銀行のローンを組成するために使用されたときに支払われます。

これは、アップスタートが自分でお金を貸すわけではないので、信用リスクに対するエクスポージャーがないことを意味します。

今年初めに発表したガイダンスでは、第2四半期の売上は1億5,000万ドルから1億6,000万ドルとされていましたので、1億9,400万ドルという実績を出した同社は予想以上に急速に成長しています。

今回の決算発表で同社は2021年度の売上見通しを6億ドルから7億5000万ドルに引き上げました。これは今年2度目の上方修正です。

201920202021(見通し)CAGR
売上高1億6,400万ドル2億3,300万ドル7億5,000万ドル113.80%

過去最高のローン組成件数

アップスタートの成長軌道は、今年、自動車ローンに軸足を移したことで加速したようです。

同社の自動車借り換えプラットフォームは、現在、米国の人口の95%以上が利用可能であり、アップスタートの技術を利用した融資を行う5つの銀行パートナーが新たに契約しました。

さらに、2021年初頭から自動車ディーラーにおける設置面積を2倍に拡大しています。

第2四半期には、アップスタートが自動車ローンへの移行を支援するために買収した、ディーラー向けに特別に設計された販売ソフトウェア技術であるプロディジーを通じて、10億ドル相当の自動車を販売しました。

ディーラーは、同社のローン組成の重要なソースとなり、最終的にアップスタートはプロディジーのプラットフォームに統合され、自動車ディーラー向けのオールインワンの販売・融資ソリューションを可能にする予定です。 

2020年度第2四半期2021年度第2四半期成長率
組成されたローンの金額1億6,400万ドル27億9,500万ドル1605%
ローン件数12,000287,0002291%

自動車ローンはアメリカでは住宅ローンに次ぐ第2の消費者債務市場であり、現在の債務額は全体で約1.4兆ドルです。

アップスタートは、個人ローン、債務整理、住宅改修、医療費などを必要とする消費者向けに無担保ローンを提供していますが、無担保ローンのマーケットは自動車に比べれば小さいものです。

第2四半期にアップスタートは、人工知能を利用したプラットフォームにより、全ローンの71%を完全に自律的に即時承認したとしています。

これは銀行へのアピールの一環であり、ほとんどの銀行は同様のツールを社内で開発することができないため、アップスタートのプラットフォームをホワイトラベル化すること(ある企業が生産した製品を、他の企業が自社のブランドを使って販売すること)は非常に意味のあることだと考えられます。

より多くの利益

アップスタートの株価が高騰した3つ目の理由は、その収益性でした。

アナリストは、第2四半期に同社が1株当たり0.25ドルの収益を上げると予想していましたが、その予想を56%上回る0.39ドルを達成しました。

多くの若いハイテク企業は、事業を成長させる間、何年も赤字を出していますが、投資家は、トップラインだけでなくボトムラインでも利益を出しているアップスタートの収益力を目の当たりにしています。

201920202021年上半期
1株当たり利益(損失)($0.03)$0.00$0.50

8月13日の終値では、アップスタートの時価総額は158億ドルで、2021年の予想売上の21倍で取引されていることになります。

これは安くはなく、同社の評価を疑問視するのは妥当なことです。

しかし、売上高は急増し収益性も急速に良くなっています。少なくとも5年の時間軸を持つ長期的な投資家にとって、今日の価格は決して高くはなく、逆に驚くほど妥当なものであるとも判断できます。

人工知能を活用した比較的若いテクノロジー企業で、しかも利益を上げている企業はそうそうありません。

より大きな融資市場でその実力をどのように発揮するか、今後が注目されますが、今のところは順調です。

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