ネット広告業界を揺るがすクッキー規制問題

米グーグルがインターネット利用者の閲覧履歴を追跡する技術の使用制限を強化するという問題。先日書きましたとおり、この問題が起きたことで持っていたトレードデスク(TTD)株の半分を売ったわけですが、ネット収入の根幹を脅かす問題だけに、やはりインターネットの広告業界を騒がせているようです。

まず震源地となっているグーグルの動向ですが、サードパーティー・クッキーの完全廃止に向けてテストを開始したようです。下記のサイトが日本語でタイムリーに報じてくれていますので、ご参照ください。
Google、サードパーティーCookie完全廃止に向けてFLoCのテスト開始

どうやら、ユーザーを個別IDではなくグループとして識別するというのが、グーグルの新しい試みの骨子のようです。

その一方で、グーグルの動きによって多大な影響を受けるネット広告業界も敏感に反応しています。

トレードディスクはそのオフィシャルブログに以下の記事を掲載(クッキーとはどういうものかということから説き明かして、同社が推し進めるユニファイド IDとは何かということまで、懇切丁寧に説明してくれている、わかりやすい内容です)。
What the Tech is Unified ID 2.0?

クッキーがインターネット広告の最初の普遍的な識別子であったとすれば、ユニファイドID 2.0はその改良版ということ。クッキーの代わりに、ユーザーがウェブサイトやアプリ(携帯電話やコネクテッドTVで使用)にログインした際に取得した匿名のメールアドレスを使用したものであること、などが説明されています。

そして、メールアドレスを元にしてはいるものの、そのアドレスを特定できないようにプライバシーの保護に配慮していること、利用者自らが個人データの使用状況を監視し、コントロールできる仕組みがあることを強調しています。

そのあと3月5日には、同社のジェフ・グリーンCEOが自らの名前でオフィシャルブログに下記の記事を掲載しています。グーグルの動きによって同氏のもとに多数の問い合わせがあったことに応えたもののようです。
Google’s Latest Chess Move is Great News for the Open Internet

正直、私の読解力や知識ではよく分からないことが多い内容です。そんななかで理解したのは、グーグルの動きに一定の理解は示しつつも、自分たちが推し進めるユニファイドID 2.0の利点を強調し、グーグルが推し進める、サードパーティ・クッキーを排除した穴を埋めようとするアプローチは間違いだと断言するくだりがジェフ・グリーンCEOの真意だろうということです。

サードパーティ・クッキーが排除されてしまうと、ネット広告による収入は激減すると言われています。多方面に影響を与える問題だけに今後の推移に注目したいと思います。

それにしても、アップルの時にはあれほど過激に反応したフェイスブックの動きが全く報じられないのがよく分かりません。株価にも影響してないようですし、どうなっているのでしょうか。分からないことが多いです。

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