ウォール街対素人集団の戦いは、28日の米市場でロビンフッドやインタラクティブ・ブローカーズなどのネット証券が、個人の売買が過熱している銘柄への取引制限を行っていったん沈静化したように見えます。
ゲームストップ(GME)は28日朝に39%高となったあと、65%安まで急落。終値は44%安と激しい乱高下を見せました。27日に株価が4倍近く上がったAMCエンターテインメント(AMC)も57%安の終値となっています。
でも、余震は続いているようですね。29日からは市場の状況を見ながら限定的に制限を解除するとロビンフッドが発表すると、ゲームストップの株価は時間外で40%近く上昇する場面があったとか。
この問題、私個人は素人集団寄りです。日経の記事に以下のような一節がありましたが、まさに同感。
情報力や資本力で勝るヘッジファンドが個人を食い物にしてきたとの不満は根強い。売買無料化とSNSと言う武器を手に入れた個人がヘッジファンドと互角に勝負できるようになった。
出所:日経新聞 2021年1月29日
将来性を見込んで買った会社の株価が空売りを仕掛けるヘッジファンドの揺さぶりによって乱高下するさまを何度も見てきました。その会社の将来に確信を持てずに怖くなって損切りした個人投資家はたくさんいたはずです。
今回SNSを使って個人集団が共謀して動いたことが問題視されていますが、ヘッジファンドだってSNSを使って動きますからね。1月16日に私が書いた記事の中でその動きを紹介しています。
空売り投資家として名を馳せるシトロンリサーチがツィッターにつぶやき。1月14日には「レモネードは”特別なもの”であり、株価は100ドルまで下がる」15日には「FTCとSECはレモネードを調査すべきである」と連投。
出所:「レモネードの下落に耐える3つのシートベルト」
いやあ、もう「悪どい」と思いません?空売りを仕掛けながら側面からこんな動きをされて、結果、赤字とか少ない儲けで売却を強いられる。怒り心頭になるのも無理はないです。
積もり積もった怒りの集積が今回の動きの一因と思うので、同じように煮湯を飲まされた経験のある私は快哉を叫んでいる方。経験の有無で意見は別れるのではないでしょうか。