10月26日の米国市場で注目された大きく動いた銘柄

2026年10月26日(月)の米国株式市場は、AI関連株の反発を背景に主要3指数がそろって上昇しました。ダウ平均は146.42ドル高(+0.28%)の52,361.58ドル、S&P500は53.09ポイント高(+0.70%)の7,676.77、ナスダック総合指数は214.04ポイント高(+0.82%)の26,169.38で取引を終えました。原油価格の下落も相場を支えました。

特に、光通信、半導体、エネルギー、産業関連など、AIインフラ投資の恩恵を受ける銘柄が買われました。アンソロピックのIPO申請やメタのAI投資資金調達計画が好感され、AI需要の持続的な成長への期待が高まりました。

今週はマイクロソフト、アマゾン、アルファベットなどの大型ハイテク企業の決算発表に加え、FOMCも予定されています。AI投資の収益性や設備投資の規模が引き続き重要な焦点となります。

以下は、26日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。

サージェリー・パートナーズ(SGRY)

株価変動: +47.62%
詳細: 米国で外来手術センターや専門医療施設を運営する医療サービス企業です。非営利医療システムのボン・セクール・マーシー・ヘルスと関係するヘルススパン・パートナーズが、約57億ドルで同社を買収すると発表したことを受け、株価が急騰しました。買収条件では、対象となる一般株主に1株当たり23.50ドルが現金で支払われます。これは直近終値に対して約49%のプレミアムに相当します。大株主のベインキャピタルは保有株式を新たな買収主体の持ち分に転換し、買収後も出資を継続します。取引は株主承認や規制当局の承認などを条件として、2027年第1四半期の完了を予定しています。

ラピッドセブン(RPD)

株価変動: +20.25%
詳細: 企業向けのサイバーセキュリティ製品やサービスを提供する企業です。脆弱性管理、クラウドセキュリティ、脅威検知、インシデント対応などを手掛けています。26日は株価が大幅に上昇し、サイバーセキュリティ関連銘柄のなかでも目立つ値動きとなりました。

レンジ・リソーシズ(RRC)

株価変動: +17.68%
詳細: 米国で天然ガスの探査・生産を手掛けるエネルギー企業です。同業大手のEQTが約128億3,000万ドルで買収すると発表したことを受け、株価が急騰しました。買収は株式交換方式で行われ、レンジ・リソーシズの株主は保有株式1株につきEQT株0.987株を受け取る予定です。発表時の条件では1株54.91ドルに相当し、直近終値に約21%のプレミアムを上乗せした水準となっています。天然ガス生産事業の統合による規模拡大やコスト削減効果が期待されています。

ゼンコア(XNCR)

株価変動: +15.89%
詳細: がんや自己免疫疾患の治療に向けた抗体医薬品を開発するバイオテクノロジー企業です。進行性の淡明細胞型腎細胞がんなどを対象とする開発中の二重特異性抗体「XmAb819」の第1相臨床試験データを発表したことが好感されました。同社は400mcg/kgを静脈内投与する用量として選定し、この用量で確認された客観的奏効率は45.5%でした。また、6カ月時点の無増悪生存率の推定値は82%と報告されています。2027年上半期には米食品医薬品局(FDA)と迅速承認の可能性について協議する計画です。ただし、今回の結果は初期段階の臨床試験に基づくものであり、今後の大規模試験による有効性と安全性の検証が必要です。

ビコー(VICR)

株価変動: +10.64%
詳細: 高効率の電力変換技術や電源モジュールを開発・製造する企業です。AIサーバーや高性能コンピューティング設備では、多数の半導体に大量の電力を安定して供給する必要があり、電力変換の効率向上が重要な課題となっています。同社は小型で高効率な電源システムを強みとしており、AIデータセンターの設備投資拡大に伴う需要増加が期待されています。

ルメンタム・ホールディングス(LITE)

株価変動: +8.19%
詳細: 光通信向け部品や光学製品を開発・製造する企業です。AIデータセンターの拡張に伴い、高速光通信技術への需要が増加するとの期待が株価を支えています。AIサーバー間で膨大なデータをやり取りするためには、高速かつ低消費電力の光通信設備が重要になります。26日はAI関連銘柄への買い戻しが進むなか、ルメンタムも大幅に上昇しました。

デジタルオーシャン(DOCN)

株価変動: +6.80%
詳細: 開発者や中小企業向けにクラウドインフラサービスを提供する企業です。仮想サーバー、データベース、ストレージに加え、AIアプリケーションの開発・運用に必要なクラウド環境も展開しています。26日はAI関連のクラウド企業に買いが広がるなか、同社株も大幅に上昇しました。AIを活用したソフトウェア開発の拡大は、比較的簡単に利用できるクラウドサービスへの需要増加につながる可能性があります。一方、アマゾン・ウェブ・サービスやマイクロソフトなどの大手クラウド企業との競争も続いており、顧客獲得と収益性の両立が今後の課題です。

ブルーム・エナジー(BE)

株価変動: +5.46%
詳細: 固体酸化物形燃料電池を利用した分散型発電システムを開発・製造する企業です。AIデータセンターの急増によって電力需要が拡大する一方、送電網への接続や電力供給設備の整備には時間がかかっています。同社の燃料電池は、データセンターなどの需要地に近い場所で電力を供給できるため、AIインフラの電力不足を補う技術として注目されています。26日はAI関連投資への期待が高まるなか、電力インフラ関連銘柄の一角として株価が上昇しました。ただし、電力需要の拡大期待が実際の受注や利益成長につながるかが重要になります。

テスラ(TSLA)

株価変動: +5.21%
詳細: 電気自動車や蓄電池、自動運転技術などを開発する企業です。英金融大手バークレイズが投資判断を従来の「ホールド」から「買い」へ引き上げ、目標株価を370ドルから450ドルへ引き上げたことが好感されました。株価は一時395.37ドルまで上昇しました。前週の決算発表後には業績や設備投資負担への懸念から売られていましたが、アナリストによる評価引き上げが投資家心理の改善につながりました。

IREN(IREN)

株価変動: +2.11%
詳細: 再生可能エネルギーを活用したデータセンター運営やAIクラウドサービスを手掛ける企業です。前週にはAIインフラ投資の採算性に対する懸念から株価が大きく下落していました。26日はアンソロピックのIPO申請を背景にAI関連株への買い戻しが進み、同社にも買いが入りました。ただし、イーロン・マスク氏がAIクラウド事業者の資金調達環境について厳しい見通しを示しており、今後の設備投資や財務負担に対する懸念は残っています。

コアウィーブ(CRWV)

株価変動: +1.76%
詳細: AI向けGPUクラウドサービスとデータセンターインフラを提供する企業です。アンソロピックのIPO申請を受けてAI関連企業の成長期待が再び高まり、株価は取引時間中に反発しました。一方、スペースXのイーロン・マスク氏は、借り入れに依存するAIクラウド事業者について、資金調達環境の悪化によって業界再編が進む可能性があると警告しました。AI計算需要の拡大と巨額の設備投資負担という、相反する要因が引き続き株価を左右しています。

マイクロソフト(MSFT)

株価変動: +1.54%
詳細: クラウドサービス「Azure」やOffice、AI関連製品などを展開する大手テクノロジー企業です。約6万人の従業員を対象に自主退職などの条件を提示する計画が報じられ、コスト削減による収益性改善への期待が高まりました。対象人数は同社の正社員全体の約27%に相当するとされています。ただし、報道された制度の具体的な適用範囲や実際の人員削減規模は確認が必要です。AI関連投資が拡大するなか、経費の効率化と収益力の維持が今後の重要な課題になっています。

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)

株価変動: -3.47%
詳細: 米国の大手通信事業者で、携帯電話やブロードバンド通信サービスを提供しています。発表した第3四半期決算では、調整後1株当たり利益が1.31ドルと市場予想の1.27ドルを上回りました。一方、売上高は約343億ドルとなり、市場予想の約348億5,000万ドルに届きませんでした。2026年通期の利益見通しを引き上げたものの、売上高の伸びが期待を下回ったことが嫌気されました。

メルカドリブレ(MELI)

株価変動: -7.81%
詳細: 中南米を中心に電子商取引やデジタル決済サービスを展開する企業です。オンラインマーケットプレイス「Mercado Libre」や金融サービス「Mercado Pago」を運営し、ブラジルは同社にとって重要な市場となっています。26日はブラジル大統領選挙の結果を受けて同国の経済政策や金融市場に対する不透明感が高まり、中南米関連銘柄への売りが広がりました。ブラジル通貨レアルの変動や個人消費の先行きに対する懸念も株価の重荷となった可能性があります。同社は電子商取引やデジタル金融サービスの普及拡大を成長基盤としていますが、地域経済や為替相場の変化が業績に影響する可能性があります。

フェア・アイザック(FICO)

株価変動: -13.27%
詳細: 信用スコア「FICOスコア」を提供する金融データ分析企業です。同社は住宅ローン向け信用スコアの価格について、一定の条件を満たす金融機関向けに10ドルで据え置くと発表しました。この決定に対して、アナリストから将来的な価格引き上げ余地が制限される可能性を指摘する声が上がりました。信用スコア事業は同社の重要な収益源であり、価格政策の変更が成長見通しに影響すると受け止められ、株価は大幅に下落しました。

ペトロブラス(PBR)

株価変動: -14.07%
詳細: ブラジル政府が大きな影響力を持つ石油・天然ガス企業です。ブラジル大統領選挙でルラ大統領が再選を果たしたことを受け、国営企業に対する政策介入や利益配分方針の変更を警戒する売りが広がりました。原油価格の変動に加え、国内燃料価格政策や設備投資方針が収益性に影響するため、政治情勢の変化が株価に大きく反映されました。

ヌー・ホールディングス(NU)

株価変動: -16.95%
詳細: ブラジルを中心にデジタル銀行「Nubank」を展開する金融テクノロジー企業です。ブラジル大統領選挙の結果を受けて、金融政策や財政運営、通貨レアルの先行きに対する懸念が強まり、ブラジル関連の金融株全般に売りが広がりました。同社は顧客数の拡大やデジタル金融サービスの普及を成長基盤としていますが、融資事業の信用コストや為替変動、ブラジル経済の動向に業績が影響される可能性があります。

ストーン(STNE)

株価変動: -27.44%
詳細: ブラジルの中小企業向けに決済サービスや金融関連サービスを提供するフィンテック企業です。大統領選挙の結果を受け、ブラジル経済や金融政策の先行きへの懸念が広がり、同国に事業基盤を持つ金融関連銘柄が大幅に下落しました。中小企業の取引量や資金需要、信用リスクなどが事業成長に影響するため、国内景気の不透明感が株価の重荷になりました。

オリック・ファーマシューティカルズ(ORIC)

株価変動: -32.00%
詳細: がん治療薬の研究開発を手掛ける臨床段階のバイオ医薬品企業です。肺がんや前立腺がんなどを対象とした新薬候補の開発を進めています。26日は株価が急落しました。市場では、ジョンソン・エンド・ジョンソンが開発する競合の前立腺がん治療薬「JNJ-6143」の初期臨床データが注目され、オリックが開発中の「Rinzimetostat」の将来的な競争力を巡る懸念が指摘されました。ただし、異なる臨床試験の結果を単純に比較することはできません。同社は別の開発候補である「Enozertinib」についても、特定のEGFR変異を持つ非小細胞肺がん患者を対象とした第3相臨床試験への移行を計画しており、今後の治験結果が企業価値を大きく左右する可能性があります。

XP(XP)

株価変動: -48.36%
詳細: ブラジルを中心に証券仲介、投資商品販売、資産運用などを手掛ける金融サービス企業です。ルラ大統領の再選によって国内金融市場の先行きに対する警戒感が強まり、株価が急落しました。ブラジル株式市場の混乱や通貨レアルの下落も、同国に依存する金融関連企業への売りを加速させました。同社は個人投資家向けサービスの拡大を成長戦略の柱としていますが、国内資本市場の変動や投資家心理の悪化が収益に影響する可能性があります。

*過去記事 株価変動

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