2026年10月22日(木)の米国株式市場は、メタの決算をきっかけにAI関連投資への警戒感が再燃し、ハイテク株を中心に大幅下落しました。ナスダック総合指数は2.60%安の26,008.86と4カ月超ぶりの大幅下落を記録し、S&P500は1.21%安の7,663.43、ダウ平均は0.02%高の52,867.98でした。
半導体指数は6.72%急落し、売りはAI関連銘柄全般に波及しました。一方、S&P500構成銘柄の過半数は上昇しており、一部の大型AI関連株の下落が指数全体を押し下げる異例の展開となりました。投資家の資金は生活必需品などのディフェンシブ株や債券へ向かい、AI関連株からの資金シフトが鮮明になりました。
以下は、22日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
バイオヘイブン(BHVN)
株価変動: +25.11%
詳細: 神経疾患などの治療薬を開発するバイオ医薬品企業です。米食品医薬品局(FDA)が、同社の希少疾患治療薬候補「Vyglxia」の再提出された承認申請を審査することに同意したと発表しました。この進展を受けて新薬承認への期待が高まり、株価は約3年ぶりの大幅な上昇となりました。
エイベックス(AVEX)
株価変動: +13.48%
詳細: 軍事用ドローンや無人システムなどを開発する防衛関連企業です。ブルームバーグは21日、米海軍が同社のドローン発射用高速艇の購入を停止したと報じました。一方、同社は報道に事実と異なる内容が含まれていると反論しました。報道内容を巡る不透明感が残るなか、株価は上昇しました。
スポティファイ(SPOT)
株価変動: +11.06%
詳細: 音楽やPodcastなどの音声ストリーミングサービスを世界的に展開する企業です。発表した決算では、有料会員数が従来の会社予想を上回りました。また、今四半期の営業利益見通しを8億2,000万ユーロとし、アナリスト予想を大幅に上回りました。有料会員の増加と収益性の改善が評価され、株価が急上昇しました。
*関連記事:スポティファイ株が10%超急騰!AI投資の成果と有料会員3億人突破、2026年Q3決算が示す成長力
ロッキード・マーチン(LMT)
株価変動: +7.01%
詳細: 戦闘機、ミサイル、防衛システムなどを製造する米国最大級の防衛関連企業です。同社の受注残高が第2四半期末の2,300億ドルから過去最高の2,920億ドルへ増加したことが好感されました。受注残高の大幅な拡大により、今後の売上高の安定性と成長への期待が高まり、S&P500構成銘柄の中でも上昇率上位となりました。
プロクター・アンド・ギャンブル(PG)
株価変動: +5.59%
詳細: 洗剤、紙製品、日用品などを世界的に販売する大手消費財メーカーです。38億ドルでのソーン買収を受け、通期の総売上高成長率見通しを従来の1〜3%から2〜4%へ引き上げました。買収による事業拡大と売上高成長への期待が高まり、株価が上昇しました。
アメリカン航空(AAL)
株価変動: +2.98%
詳細: 米国を代表する大手航空会社で、国内線と国際線の旅客輸送事業を展開しています。発表した第3四半期決算では、売上高が前年同期比19.3%増の163億ドルとなり、会社予想の上限を上回りました。調整後の1株当たり損失は0.28ドルとなり、市場予想よりも小幅な赤字にとどまりました。一方、燃料費の急増を受けて通期の業績見通しは下方修正されており、収益拡大とコスト上昇の両面が注目されています。
テスラ(TSLA)
株価変動: -3.08%
詳細: 電気自動車、蓄電池、エネルギー関連製品などを開発・販売する企業です。第3四半期の利益は市場予想をやや上回りましたが、売上高は前年同期比でほぼ横ばいとなりました。新技術への投資拡大によって営業利益が市場予想を下回ったことが嫌気されました。AIや自動運転技術への投資負担が今後の利益率に与える影響が懸念され、株価が下落しました。
*関連記事:テスラ決算、営業利益56%減で株価下落!スペースXとの合併期待にマスク氏は回答を拒否
エヌビディア(NVDA)
株価変動: -4.40%
詳細: AI向けGPUやデータセンター向け半導体を開発する世界的な半導体企業です。メタ・プラットフォームズの決算を受け、AI関連企業の巨額な設備投資が収益拡大につながるかどうかについて、市場の懸念が強まりました。AIインフラ投資の持続可能性に対する警戒感が半導体関連株全体に広がり、エヌビディアの株価も下落しました。
キャタピラー(CAT)
株価変動: -4.91%
詳細: 建設機械、鉱山機械、エンジン、発電設備などを製造する世界最大級の産業機械メーカーです。AIデータセンター向けの電力需要拡大を背景に、大型ガスエンジンや発電システムの成長が期待されています。しかし、10月22日はメタの決算を受けてAI関連の設備投資負担に対する懸念が強まり、データセンター向け電力インフラ関連株にも売りが広がりました。10月29日に予定される第3四半期決算を前に、AI関連需要への高い成長期待と業績の持続可能性を見極めようとする動きが強まり、株価が下落しました。
スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)
株価変動: -5.20%
詳細: AIサーバーやデータセンター向けコンピューターシステムを開発・販売する企業です。AI向けサーバー需要の拡大が期待される一方、主要な顧客であるクラウド事業者などの設備投資計画が業績に大きな影響を与えます。メタの決算を受けて、AIインフラへの巨額投資の持続可能性が懸念され、AIサーバー関連株にも売りが広がりました。同社についても、AI市場の成長期待より設備投資負担への警戒感が強まり、株価が下落しました。
マイクロン・テクノロジー(MU)
株価変動: -6.26%
詳細: DRAMやNAND型フラッシュメモリーなどを製造する大手半導体メーカーです。AIデータセンター向けの高帯域幅メモリー(HBM)の需要拡大が期待されていますが、メタの決算をきっかけにAI関連株全体への売り圧力が強まりました。AI設備投資の採算性に対する懸念が半導体セクターに波及し、株価が下落しました。
*関連記事:マイクロン株に228%の上昇余地!目標株価3,000ドルを維持、AIメモリー需要への強気予想が続く
メタ・プラットフォームズ(META)
株価変動: -6.98%
詳細: Facebook、Instagram、WhatsAppなどを運営する大手インターネット企業です。第3四半期決算では売上高が市場予想を上回りましたが、通期の設備投資見通しの中央値を引き上げました。第3四半期の設備投資額は市場予想を下回ったものの、フリーキャッシュフローはマイナスとなりました。AI関連投資の拡大による資金負担と収益性への懸念が強まり、株価が大幅に下落しました。
*関連記事:メタ決算、AI「ミューズ」が広告事業を超える収益源に?売上高26%増と1,450億ドル投資の勝算
バーティブ・ホールディングス(VRT)
株価変動: -7.80%
詳細: データセンター向けの電源設備、冷却システム、電力管理ソリューションなどを提供する企業です。AIサーバーの高性能化に伴う電力消費量や発熱量の増加を背景に、データセンター向けインフラ需要の拡大が期待されています。しかし、メタの決算を受け、AIデータセンター建設に必要な巨額の設備投資を継続できるかどうかについて市場の懸念が強まりました。AIインフラ関連企業に利益確定売りやリスク回避の売りが広がり、大幅に下落しました。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)
株価変動: -8.10%
詳細: パソコンやサーバー向けCPU、AI向けGPUなどを開発する大手半導体メーカーです。データセンター向けEPYCプロセッサーやInstinctシリーズのAIアクセラレーターが成長分野として注目されています。しかし、メタの設備投資負担への懸念や、ラム・リサーチの業績見通しを受けて、半導体関連株全体に売りが広がりました。AI向け半導体の需要拡大が期待される一方、顧客企業の投資回収や設備投資計画に対する不透明感が意識され、株価が大幅に下落しました。
IREN(IREN)
株価変動: -8.37%
詳細: 再生可能エネルギーを活用したデータセンターの運営を手掛け、AIクラウドサービスへの事業拡大を進める企業です。AI向けGPUを利用した計算能力の提供やデータセンター設備の拡張が成長戦略の中心となっています。一方、AIインフラ事業は設備投資額が大きく、資金調達コストや顧客企業の需要動向が収益性に影響します。メタの決算をきっかけにAI投資の採算性に対する懸念が強まり、コアウィーブなどのAIインフラ関連株とともに売られました。
ブルーム・エナジー(BE)
株価変動: -8.70%
詳細: 固体酸化物形燃料電池(SOFC)を活用した分散型発電システムを開発・販売する企業です。AIデータセンター向けの電力供給需要拡大を背景に注目されていますが、メタの決算をきっかけに、AIインフラへの巨額投資の持続可能性に対する懸念が強まりました。同社は10月22日の通常取引終了後に第3四半期決算を発表する予定で、高い成長期待を織り込んだ株価評価も売り圧力につながったとみられます。
スペースX(SPCX)
株価変動: -9.14%
詳細: ロケット打ち上げや衛星通信サービスなどを手掛ける宇宙開発企業です。イーロン・マスク氏がテスラの決算説明会で、スペースXとテスラの合併の可能性について具体的な説明を避けたことが注目されました。両社の合併を巡っては以前から市場で観測が広がっており、マスク氏は合併を支持する姿勢を示しています。また、両社はこの問題を検討する特別委員会を設置したとされています。合併の具体的な進展が確認できなかったこともあり、株価は下落しました。
コアウィーブ(CRWV)
株価変動: -10.06%
詳細: AI向けGPUクラウドサービスやデータセンターインフラを提供する企業です。メタの決算をきっかけに、AIインフラ関連企業の巨額な設備投資と収益性に対する懸念が強まりました。AI向け計算能力の需要拡大が期待される一方、設備投資負担や投資回収の不確実性が警戒され、株価が大幅に下落しました。
GEベルノバ(GEV)
株価変動: -10.64%
詳細: 発電設備、電力網関連機器、再生可能エネルギー設備などを提供する大手エネルギー関連企業です。AIデータセンターの電力需要拡大を背景に、ガスタービンや送配電設備などの需要増加が期待されています。しかし、メタの決算でAI関連の設備投資負担が改めて意識されたことから、データセンター向け電力インフラ関連株にも売りが広がりました。同社固有の悪材料よりも、AIインフラ投資の持続可能性や資金調達に対する市場全体の懸念が株価下落の主な要因とみられます。
ラム・リサーチ(LRCX)
株価変動: -11.76%
詳細: 半導体の製造工程で使用されるエッチング装置や成膜装置などを提供する大手半導体製造装置メーカーです。発表した第1四半期決算は市場予想をわずかに上回りましたが、AI関連企業に対する投資家の期待が非常に高まっていたため、予想を小幅に上回る程度の業績では十分な買い材料と受け止められませんでした。AI関連投資の先行きに対する警戒感も重なり、株価はS&P500構成銘柄の中でも下落率上位となりました。
*過去記事 株価変動