バロンズは9月30日、コンステレーション・エナジー(CEG)とアマゾン(AMZN)が、米メリーランド州の原子力発電所をめぐり20年間の電力供給契約を結んだと報じました。
今回の契約では、アマゾンが電力を長期的に確保するだけでなく、既存原発の発電能力を拡大するプロジェクトへの資金提供にも参加します。
AIデータセンターの急速な拡大によって米国の電力需要が増えるなか、大手テクノロジー企業が原子力発電へ直接関与する動きがさらに広がっています。
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アマゾンと20年間の電力供給契約
コンステレーション・エナジーは、メリーランド州にあるカルバート・クリフス・クリーン・エナジー・センターから、アマゾンへ20年間にわたって電力を供給します。
さらにアマゾンは、この原発の発電能力を約190MW拡大するプロジェクトへの資金提供にも参加します。
190MWは約200,000世帯分の電力に相当する規模です。
新しい原子力発電所をゼロから建設するのではなく、すでに稼働している原発の設備を改修して発電能力を引き上げる点が今回のプロジェクトの特徴です。
コンステレーション・エナジーによると、発電所全体の改修プロジェクトには約30億ドルが必要になる見通しです。
AIによる電力需要の増加に対して、既存の発電設備を有効活用する取り組みといえます。
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電力はデータセンターへ直接送られない
今回の契約では、カルバート・クリフス原発で発電された電力がアマゾンのデータセンターへ直接送られるわけではありません。
発電した電力はこれまでと同様に地域の送電網へ供給されます。
アマゾンは米国中部大西洋岸地域でデータセンターの建設を進めています。AIやクラウドサービスの利用拡大によってデータセンターの電力消費が増えるなか、地域全体の発電能力を増やすことが重要になっています。
特定のデータセンターだけに電力を供給するのではなく、送電網全体の供給能力を高める形でAI時代の電力需要に対応することになります。
原発へのデータセンター併設計画は撤回
アマゾンは以前、カルバート・クリフス原発の敷地にデータセンターを建設することを検討していました。
しかし、地域社会から強い反発があり、2026年にこの計画を撤回しました。
今回は原発の敷地内にデータセンターを建設するのではなく、アマゾンが原発の能力増強を支援し、そこで生み出された電力を地域の送電網へ供給する仕組みです。
AIデータセンターの増加によって電力料金が上昇することへの懸念も強まっています。今回の方式は、大手テクノロジー企業と電力会社、地域社会の利害を調整する新しいモデルとしても注目されます。
コンステレーション株は時間外で3.3%上昇
契約発表を受け、コンステレーション・エナジーの株価は9月30日のアフターマーケットで3.3%上昇しました。
同社は米国最大級の原子力発電事業者で、大手テクノロジー企業との電力供給契約を進めてきました。
AIデータセンターの増加によって原子力発電への期待は高まりましたが、2026年に入ってからは新規契約のペースが鈍化しています。
規制当局による審査に加えて、データセンターの増加が一般家庭の電気料金を押し上げることへの懸念も強まり、発電事業者とテクノロジー企業による大型契約は以前ほど簡単には進まなくなっています。
こうした環境のなかで20年間の契約を獲得したことは、コンステレーション・エナジーにとって大きな意味があります。
AI投資は半導体から電力インフラへ拡大
今回のニュースで注目したいのは、AI関連投資の対象が半導体やデータセンターから電力インフラへ広がっていることです。
AIデータセンターには、エヌビディア(NVDA)のGPUをはじめとする大量の半導体が必要ですが、それだけではAIインフラを運営できません。
サーバー、ネットワーク機器、冷却設備、そして大量の電力が必要です。
太陽光や風力は重要な電源ですが、天候によって発電量が変動します。一方、原子力発電は24時間にわたり安定して大量の電力を供給できるため、常時稼働するAIデータセンターとの相性が良いという特徴があります。
AIインフラ投資の拡大が続けば、半導体メーカーだけでなく、原子力発電や送電設備などの電力関連企業にも投資機会が広がる可能性があります。
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コンステレーションの成長を左右する長期契約
コンステレーション・エナジーにとって今後重要になるのは、今回のアマゾンとの契約に続いて、大手テクノロジー企業との長期契約をどこまで増やせるかです。
AIデータセンターの電力需要が拡大すれば、原子力発電所を保有する同社には追い風となります。
ただし、原発関連プロジェクトには規制、設備投資、建設コスト、地域住民との調整などのリスクがあります。
長期契約を獲得しただけで利益が直ちに大きく増えるわけではないため、設備投資額と収益性を確認していく必要があります。
AI投資の主役はこれまで半導体企業でしたが、データセンター建設の拡大によって電力不足が大きな課題になっています。
今回のアマゾンとコンステレーション・エナジーの契約は、「AI半導体」から「データセンター」、さらに「電力インフラ」へと投資テーマが広がっていることを象徴する動きといえます。
情報ソース: Barron’s: “Constellation Stock Rises as Amazon Backs Nuclear Plant Expansion” (By Avi Salzman, Sept. 30, 2026)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。