アップルが1,999ドルの「iPhone Duo」に賭ける理由 折りたたみiPhoneが次の成長エンジンに

アップル(AAPL)が投入する折りたたみ式iPhone「iPhone Duo」は、単なる新製品ではなく、成熟してきたiPhone事業の成長率を再び押し上げる可能性を持つ製品です。

iPhone Duoは256GBモデルで1,999ドルからと、これまでのiPhoneより大幅に高い価格に設定されています。それでも市場調査会社IDCは、発売後12カ月で1,000万台、売上高で270億ドルに達すると予測しています。

注目すべきなのは、販売台数そのものよりも、高価格モデルによる平均販売価格の上昇と、iPhoneユーザーの買い替え周期を短くできるかという点です。

iPhone事業には新しい成長材料が必要

アップルのiPhone事業は依然として巨大ですが、ここ数年は大幅な成長が続いていたわけではありません。

2025年9月終了の会計年度におけるiPhone売上高は約2,100億ドルで、前年比4%増でした。2022年から2025年にかけても売上高の伸びは限定的でした。

一方、2026年6月期にはiPhone売上高が22%増加しています。iPhone 17シリーズの人気に加えて、約4年間iPhoneを買い替えていなかったユーザーからの需要が寄与しました。

ここから分かるのは、アップルにとって買い替え周期が非常に重要になっているということです。

カメラや半導体チップの性能向上だけでは、「今のiPhoneでも十分」と考える消費者を買い替えに動かすことが難しくなっています。

その点、折りたたみ式という大きなデザイン変更は、従来型iPhoneとの違いを消費者が一目で理解できます。iPhone Duoは、新しい買い替え理由を作る役割を担う可能性があります。

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1,999ドルという高価格も成長要因になる

iPhone Duoの1,999ドルという価格は、販売のハードルになる一方で、アップルの売上高を押し上げる重要な要素でもあります。

IDCは最初の1,000万台から270億ドルの売上高を予測しています。これは証券会社の予想を基にすると、アップルの2026年度予想売上高の約6%に相当します。

1つの新製品だけで全社売上高の約6%に相当する規模になるのであれば、アップル全体の成長率にも影響を与える可能性があります。

高価格端末は販売台数が多少少なくても、1台当たりの売上高を大きくできます。

そのためiPhone Duoは、大量販売を狙うモデルというよりも、iPhoneの価格帯をさらに上へ広げる製品として見る必要があります。

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折りたたみスマートフォン市場は成長中

iPhone Duoには市場環境の追い風もあります。

IDCによると、2025年の世界の折りたたみ式スマートフォン売上高は前年比16%増の270億ドルでした。一方、非折りたたみ式スマートフォンの売上高は7%増の5,500億ドルでした。

市場規模は通常型スマートフォンの方が圧倒的に大きいものの、成長率では折りたたみ式が上回っています。

すでにファーウェイやサムスン電子が折りたたみ式スマートフォンを販売しており、北米以外では需要が2桁成長しています。

アップルは市場をゼロから作る必要がありません。折りたたみ式という製品カテゴリーが消費者に認知された段階で参入できる点は有利です。

北米市場には大きな伸びしろ

特に注目したいのが北米市場です。

Smart Analytics Globalによると、2025年の北米スマートフォン販売に占める折りたたみ式端末の割合はわずか2%でした。

これは裏を返せば、市場がまだほとんど開拓されていないことを意味します。

アップルがiPhone Duoを投入することで、これまで折りたたみ式スマートフォンに関心を持っていなかった既存iPhoneユーザーが購入を検討する可能性があります。

Smart Analytics Globalは、2026年だけでiPhone Duoが600万台販売されると予測しています。IDCの発売後12カ月で1,000万台という予測と合わせても、短期間で一定規模の市場を形成するとの見方が示されています。

下取りと分割払いが価格の壁を下げる

1,999ドルという価格は高額ですが、実際の負担額は定価だけでは決まりません。

比較的新しいiPhoneを下取りに出した場合、iPhone Duoの負担額を約900ドル引き下げられるケースがあります。さらに分割払いを利用すれば、購入時の負担を複数月に分散できます。

高価格モデルの販売では、こうした下取りや分割払いの仕組みも重要になります。

消費者が2,000ドル近い金額を一括で支払う必要がないため、価格の高さがそのまま販売台数の低迷につながるとは限りません。

最大の注目点は買い替え周期

iPhone Duoで最も重要なのは、1,000万台販売できるかだけではありません。

より大きな意味を持つのは、iPhoneユーザーの買い替え周期を短くできるかです。

2026年6月期のiPhone売上高が22%増加した背景には、約4年間買い替えていなかったユーザーの需要がありました。

仮にiPhone Duoの登場によって、4年だった買い替え周期が3年へ短縮されれば、iPhone事業全体の売上高に与える影響は大きくなります。

折りたたみ式という分かりやすい変化は、カメラ性能や処理速度の改善以上に、消費者の購買意欲を刺激する可能性があります。

iPhone Duoが成功すれば、折りたたみモデル単体の売上高だけでなく、iPhone事業全体の成長率にも影響を与える可能性があります。

iPhone Duoはアップル再成長の試金石

IDCが予測する270億ドルという売上高、折りたたみ式市場の16%成長、北米でわずか2%という普及率を考えると、iPhone Duoには複数の成長余地があります。

一方、1,999ドルという高価格の商品が継続的に大量販売できるかは、実際の販売動向を確認する必要があります。

今後の投資家にとって重要なのは、iPhone Duoの販売台数だけではありません。

iPhone全体の売上高成長率が高まるのか、北米の折りたたみ式スマートフォン普及率が上昇するのか、そして高価格モデルへの移行によって平均販売価格がどこまで上昇するのかが重要です。

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iPhone Duoが買い替え需要を刺激し、高価格帯の新しい市場を形成できれば、成熟していると見られてきたiPhone事業に新たな成長サイクルを生み出す可能性があります。

情報ソース: The Information: “Why Apple Is Betting on Foldable iPhones” (By Tiffany Li, Sep. 20, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

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