AI向けデータセンターへの巨額投資が、半導体だけでなくサーバーやネットワーク機器を手掛ける企業にも大きな追い風となっています。
バロンズは2026年9月11日付の記事で、デル・テクノロジーズ(DELL)とヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)の株価急騰を取り上げました。
背景にあるのは、オラクル(ORCL)やマイクロソフト(MSFT)など大手テクノロジー企業によるAIインフラ投資の拡大です。
デルとHPEがそろって急騰
9月11日の取引で、デル・テクノロジーズ株は10.7%上昇し、HPE株も12.4%の上昇となりました。両社とも過去最高値圏まで買われ、S&P 500構成銘柄の上昇率上位に入りました。
市場が注目しているのはAIそのものだけではありません。AIモデルを運用するにはGPUに加え、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器、電源、冷却設備など、大規模なデータセンターインフラが必要です。
そのため、AI投資が拡大するほど、こうした設備を供給する企業にも恩恵が広がります。
オラクルの設備投資は最大950億ドル
今回の株価上昇を後押しした大きな材料が、オラクルの設備投資計画です。
オラクルは2027年度の設備投資額を900億〜950億ドルと見込んでいます。前年度の560億ドルから大幅な増加です。
AI向けデータセンターの建設が続けば、そこで使われるサーバーやネットワーク機器への需要も増加します。
さらにブルームバーグは、マイクロソフトがコンピューティング能力を大幅に拡大する計画を進めていると報じました。マイクロソフトは報道された財務数値について、自社の実績や予測を正確に反映したものではないと説明しています。
それでも、大手クラウド企業がAIインフラ投資を高水準で継続するとの期待は強まっています。
HPEはオラクルとの協業を拡大
HPEには個別の追い風もあります。
同社は9月2日、オラクルとのネットワーク分野での協業拡大を発表しました。オラクルのAIデータセンターにジュニパー・ネットワーキング製品を導入する計画です。
オラクルの設備投資拡大が、そのままHPEの事業機会拡大につながる可能性があります。
9月11日にはアリスタ・ネットワークス(ANET)やシスコ・システムズ(CSCO)も上昇しており、AIインフラ関連銘柄全体に買いが広がりました。
株価上昇の大きさには注意
一方、すでに株価が大きく上昇している点には注意が必要です。
バロンズによると、デル株は2026年に343%上昇し、HPE株も153%上昇しています。
AI向け設備投資が続けば業績への追い風になりますが、クラウド企業の設備投資が減速した場合、株価の反動も大きくなる可能性があります。
設備投資型のビジネスにはサイクルがあります。顧客の大型投資が一巡すれば、売上成長率が急速に鈍化するケースもあります。
デルには640ドルの目標株価
それでもウォール街では、AIインフラ市場には成長余地が残っているとの見方があります。
RBCキャピタル・マーケッツはデルの投資判断を「アウトパフォーム」とし、目標株価を640ドルに設定しました。
企業によるAI投資だけでなく、コンピューター設備の更新、ストレージ需要の増加、PCの買い替えなども業績を支えるとみています。
エヌビディア(NVDA)のGPUを稼働させるためには、サーバー、ネットワーク、ストレージ、電源、冷却設備などの周辺インフラが不可欠です。
AI投資の恩恵は半導体メーカーだけではなく、データセンターを構成する幅広い企業へと広がっています。
投資家が見るべきは設備投資の増加率
今後、デルやHPEを見るうえでは、大手テクノロジー企業の設備投資額だけでなく、その増加率が重要になります。
オラクル、マイクロソフト、アルファベット(GOOGL)、アマゾン(AMZN)、メタ(META)などが設備投資をどこまで拡大するのかが、AIインフラ関連企業の成長を左右します。
設備投資額が高水準でも、前年比の伸びが鈍化すれば市場の評価が変わる可能性があります。一方、オラクルのように投資計画が上方に拡大する局面では、サーバーやネットワーク関連企業への期待も高まりやすくなります。
AI相場の焦点は「AIを開発する企業」から、「AIを動かす巨大インフラを誰が供給するのか」という領域にも広がっています。
デル・テクノロジーズとヒューレット・パッカード・エンタープライズの急騰は、その流れを象徴する動きといえます。
情報ソース: Barron’s: “Dell and HPE Stocks Are Surging on the AI Spending Boom” (By Angela Palumbo, Sept. 11, 2026)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。
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