エヌビディア目標株価515ドル!好決算でウォール街16社が一斉引き上げ

エヌビディア(NVDA)が8月26日に発表した2027会計年度第2四半期決算を受け、ウォール街のアナリストが相次いで目標株価を引き上げています。

ロイターによると、決算後に少なくとも16社の証券会社がエヌビディアの目標株価を引き上げました。今回の特徴は「中立から買い」などの格上げよりも、すでに強気だった投資判断を維持しながら、想定する企業価値をさらに引き上げる動きが中心となっていることです。

エヌビディアに対するウォール街の評価は、今回の決算によってどのように変わったのでしょうか。

エヌビディア決算後の主な目標株価変更

主要証券会社による変更をまとめると以下のようになります。

証券会社投資判断旧目標株価新目標株価引き上げ幅
レイモンド・ジェームズ強い買い352ドル515ドル+163ドル
エバコアISI市場平均を上回る413ドル465ドル+52ドル
メリウス・リサーチ買い400ドル420ドル+20ドル
バーンスタイン市場平均を上回る315ドル400ドル+85ドル
ローゼンブラット買い325ドル390ドル+65ドル
トゥルイスト証券買い307ドル346ドル+39ドル
ウェドブッシュ市場平均を上回る330ドル345ドル+15ドル
RBCキャピタル市場平均を上回る300ドル330ドル+30ドル
ロスチャイルド&Coレッドバーン投資判断維持300ドル325ドル+25ドル
JPモルガン強気判断維持280ドル320ドル+40ドル
米国みずほ証券市場平均を上回る300ドル315ドル+15ドル
シティグループ強気判断維持300ドル315ドル+15ドル
オッペンハイマー市場平均を上回る265ドル315ドル+50ドル
シュティフェル買い282ドル315ドル+33ドル
ゴールドマン・サックス中立285ドル300ドル+15ドル
モルガン・スタンレー市場平均を上回る288ドル300ドル+12ドル
ニーダム買い270ドル300ドル+30ドル

バーンスタインの315ドルから400ドル、エバコアISIの413ドルから465ドルなど、大幅な引き上げが目立ちます。

特にレイモンド・ジェームズの515ドルは、今回確認できた主要証券会社の中では最も高い目標株価となります。

なぜウォール街は一斉に目標株価を引き上げたのか

最大の理由は、第2四半期の好決算そのものよりも、その先の成長見通しです。

エヌビディアは第2四半期に売上高962億ドルを記録し、前年同期比106%増となりました。さらに次の第3四半期についても売上高1,080億ドルを見込んでいます。

しかし、アナリストが特に注目したのは2028会計年度です。

エヌビディアは2028会計年度について、売上高が約70%成長する可能性を示しました。市場では事前に約44~45%程度の成長が想定されていたため、大幅な上振れとなります。

つまり今回の決算は、「AI需要はまだ強い」という確認だけではなく、「現在の高成長が少なくともあと数年続く可能性がある」というメッセージを市場に与えました。

ブラックウェルからルービンへ成長が途切れない可能性

ウォール街が評価しているもう一つのポイントが、ブラックウェルから次世代プラットフォーム、ルービンへの移行です。

通常、半導体業界では新製品への切り替え前後に顧客が購入を控え、売上高が一時的に鈍化するケースがあります。

しかし今回のエヌビディアの場合、AIデータセンターへの投資需要そのものが極めて強く、供給能力を上回る需要が続いています。

モルガン・スタンレーは決算後、エヌビディアの長期売上高予想を大幅に引き上げ、目標株価も288ドルから300ドルへ引き上げました。投資判断は「市場平均を上回る(アウトパフォーム)」を維持しています。

つまり、ブラックウェルの販売が一巡した後に成長率が急低下するという従来の懸念が、ルービンへの強い需要によって後退しつつあります。

400ドル以上の目標株価が意味するもの

今回の変更で特に印象的なのは、400ドル以上の目標株価を提示する証券会社が複数存在することです。

バーンスタインは400ドル、メリウス・リサーチは420ドル、エバコアISIは465ドルです。さらにレイモンド・ジェームズについては515ドルへの引き上げとの報道があります。

仮にエヌビディアがこれらの水準まで上昇するには、単に現在のAIブームが続くだけでは不十分です。

2028会計年度以降も非常に高い売上高成長を続け、さらに利益率を一定水準以上に維持する必要があります。

つまり400ドル以上の目標株価は、エヌビディアを単なる半導体メーカーとして評価しているのではなく、AI時代の計算インフラを支配するプラットフォーム企業として評価しているとも考えられます。

ゴールドマン・サックスは中立を維持

ウォール街が全面的に楽観しているわけではありません。

ゴールドマン・サックスは目標株価を285ドルから300ドルへ引き上げたものの、投資判断は「中立」を維持しています。

これは重要なポイントです。

エヌビディアの業績が非常に強いことと、現在の株価から見て投資妙味が大きいことは必ずしも同じではありません。

特に今後は、AIデータセンター投資の継続性、メモリー価格上昇による粗利益率への圧力、ハイパースケーラー各社による独自AI半導体開発などもリスク要因になります。

また、モルガン・スタンレーもエヌビディアの成長力を高く評価する一方で、AIインフラ企業への資金支援や投資によって、将来的な財務エクスポージャーが拡大する可能性を指摘しています。

「格上げ」ではなく「利益予想の再評価」が起きている

今回の一連の変更で最も重要なのは、投資判断の格上げが相次いだことではありません。

多くの証券会社は決算前からエヌビディアを「買い」「市場平均を上回る」などの強気判断としていました。

それでも目標株価が大幅に引き上げられたということは、アナリストがエヌビディアの将来の売上高やEPSを従来より高く見積もり始めたことを意味します。

これは非常に重要な変化です。

株価を押し上げる材料には、PERなどの評価倍率の上昇と、企業利益そのものの上方修正があります。今回起きているのは主に後者です。

エヌビディアの株価が単に「AI期待」で上昇しているというより、2028会計年度以降の利益予想そのものが上方修正されることで、株価の理論的な評価水準も引き上げられていると考えられます。

目標株価の分布から見えるウォール街の温度差

今回の表を見ると、各社の目標株価にはかなり大きな幅があります。

比較的慎重なゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、ニーダムは300ドルです。一方、バーンスタインは400ドル、メリウス・リサーチは420ドル、エバコアISIは465ドル、レイモンド・ジェームズは515ドルとなっています。

この差は、エヌビディアの将来の売上高成長率や利益率、AIインフラ市場全体の規模を各社がどのように予測しているかの違いを反映しています。

特に400ドル以上の目標株価を設定するには、ルービン世代でも強い成長が続き、ハイパースケーラーやAI企業による設備投資が長期間拡大し続けることが前提になります。

一方、300ドル前後の目標株価は、企業としての高成長は評価しつつも、現在の株価にすでに大きな期待が織り込まれていると見る、より慎重な評価だと考えられます。

つまりウォール街全体が強気であることに変わりはありませんが、「どこまで成長が続くのか」についてはアナリスト間でも大きな差があることが分かります。

今後の焦点は70%成長を本当に実現できるか

今回の決算によって、ウォール街のエヌビディアに対する長期評価は一段と強気になりました。

決算後、少なくとも16社が目標株価を引き上げています。特に評価されているのが、ブラックウェルの強い需要に加えて、次世代ルービンへの需要がすでに拡大していることです。

ただし、目標株価が引き上げられたからといって株価が一直線に上昇するとは限りません。

今後は2028会計年度に約70%という非常に高い売上高成長を実際に達成できるかが最大の焦点になります。

AIインフラ投資が現在のペースで続き、ブラックウェルからルービンへの移行も順調に進めば、現在の強気な目標株価にも現実味が増します。

一方で成長率が市場期待を下回れば、高い期待を織り込んだ分だけ株価の変動も大きくなる可能性があります。

今回の目標株価引き上げラッシュは、ウォール街がエヌビディアを「成長のピークに近づいた企業」ではなく、「AIインフラ拡大の第2幕に入った企業」と見始めていることを示していると考えられます。

情報ソース:
Reuters
MarketScreener
TipRanks/TheFly
Morgan Stanley
Bernstein
Evercore ISI
NVIDIA

※本記事は公開情報をもとに作成したものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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