ルメンタム決算で売上が2倍超 粗利益率50.4%が映すAI需要の強さ

  • 2026年8月12日
  • 2026年8月12日
  • BS余話

AIデータセンター向け光通信需要の拡大を追い風に、ルメンタム・ホールディングス(LITE)の業績が急成長しています。

ルメンタムは8月11日の取引終了後、2026年度第4四半期決算を発表しました。売上高、利益ともに市場予想を上回っただけでなく、2027年度第1四半期についても強気な業績見通しを示しています。

過去12カ月で株価が約600%上昇しているため、市場の期待値はすでにかなり高い水準にあります。それでも今回の決算からは、AIインフラ投資を背景とする同社の成長力が引き続き強いことが確認できました。

ルメンタムの第4四半期決算は市場予想を上回る

ルメンタムの第4四半期売上高は、前年同期比109%増の10億1,000万ドルとなりました。

ファクトセットが集計した市場予想の9億8,770万ドルを上回り、前年同期から2倍以上に拡大しています。

調整後1株当たり利益(EPS)は3.23ドルとなり、前年同期比267%増加しました。こちらも市場予想の2.97ドルを大きく上回っています。

さらに注目したいのが収益性です。

調整後粗利益率は50.4%となり、市場予想の48%を上回りました。売上高が急増する一方で利益率も改善しており、単純な規模拡大だけではない質の高い成長が進んでいることが分かります。

2027年度第1四半期のガイダンスも強気

今回の決算では、2027年度第1四半期の業績見通しも市場予想を大きく上回りました。

売上高は12億2,500万ドル〜12億7,500万ドルを見込んでいます。市場予想は11億5,700万ドルだったため、会社側はアナリスト予想を大きく上回る成長を想定していることになります。

調整後EPSについても4.05ドル〜4.35ドルを予想しており、市場予想の3.61ドルを上回りました。

第4四半期の好調さが一時的なものではなく、新年度に入ってからも高い成長が続く可能性を示す内容です。

売上高以上に利益が伸びる収益構造

今回の決算で特に重要なのは、売上高が前年同期比109%増だったのに対して、調整後EPSが267%増となった点です。

売上規模が拡大する以上のスピードで利益が増えており、ルメンタムの収益構造そのものが改善していることを示しています。

マイケル・ハールストンCEOによると、同社は当初、調整後粗利益率50%という水準について、四半期売上高が20億ドル程度まで拡大した段階で実現すると想定していました。

ところが実際には、売上高が約10億ドルの段階ですでに50.4%を達成しています。

背景にあるのが、AIデータセンター向けなど高付加価値製品の構成比上昇です。AIサーバーの高速化に伴い、データセンター内部では大量のデータを高速で転送する必要があり、光通信部品の重要性が急速に高まっています。

ルメンタムは、この市場拡大の恩恵を直接受けている企業の1社といえます。

エヌビディアとの関係が成長を支える

ルメンタムの中長期的な成長を考えるうえで重要なのが、エヌビディア(NVDA)との関係です。

米国みずほ証券によると、エヌビディアはルメンタムの光学機器における主要顧客となっています。

2026年3月には、エヌビディアがルメンタムの光学技術や研究開発を支援するため、20億ドルを投資しました。

さらにルメンタムは同月、ノースカロライナ州グリーンズボロに新工場を建設する計画を発表しています。ここでもエヌビディアが主要顧客となり、2028年半ばにかけて生産能力を本格的に拡大する計画です。

AIコンピューティングではGPUの性能だけでなく、それらを高速で接続するネットワーク技術が重要になります。

AIクラスターの規模が拡大するほど光通信部品の需要も増えるため、エヌビディアとの長期的な関係はルメンタムにとって大きな競争優位性となる可能性があります。

好決算でも株価上昇が限定的だった理由

今回の決算内容は非常に強いものでしたが、8月11日の時間外取引における株価上昇率は約2%にとどまりました。

その背景には、すでに株価が過去12カ月で約600%上昇していたことがあります。

AI向け光通信需要の拡大やルメンタムの業績成長については、市場がかなり先まで織り込んでいると考えられます。

そのため、単に市場予想を上回るだけでは株価が大きく上昇しにくい状況になっています。今後は決算の数字だけでなく、市場予想をどの程度上回り続けられるのかが重要になります。

今後は生産能力の拡大が最大のポイント

ルメンタムの今後を考えるうえでは、生産能力の拡大が重要なポイントです。

ハールストンCEOは、生産能力増強について今後数四半期にわたって進捗を報告していく方針を示しています。

現在は需要が供給能力を上回っている状況とみられており、生産能力を増やすことができれば、そのまま売上拡大につながる可能性があります。

一方で株価はすでに大幅に上昇しているため、高い成長期待が崩れた場合には株価変動が大きくなる点には注意が必要です。

それでも、売上高の倍増、粗利益率50%超、エヌビディアとの関係、生産能力拡大という複数の成長要因を考えると、AIデータセンター向け光通信市場におけるルメンタムの存在感は今後さらに高まる可能性があります。

短期的な株価の値動き以上に、AIインフラ投資の拡大に伴って業績成長と高い利益率をどこまで持続できるのかが、今後の注目ポイントとなります。

情報ソース: MarketWatch: “ Lumentum sees sales more than double as AI demand swells” (By Hannah Pedone, Aug. 11, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

*過去記事「ルメンタム決算後の売りは転機か 利益率32.2%が映すAI光通信の実需

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