AI半導体の真の主役は製造装置か?アプライド・マテリアルズの決算から見る2026年への展望

  • 2026年2月14日
  • 2026年2月14日
  • BS余話

2026年2月13日、決算発表翌日の午前中の米国市場において、アプライド・マテリアルズ(AMAT)の株価は10%上昇し、360ドルを記録しました。AIブームの恩恵を受ける企業といえば、真っ先にエヌビディア(NVDA)のようなチップメーカーが思い浮かびます。しかし、12日に発表されたアプライド・マテリアルズの決算内容を深掘りすると、半導体業界の成長の源泉がどこにあるのかが鮮明に見えてきます。

今回の決算で最も注目すべきは、CEOのゲイリー・ディッカーソン氏が示した、2026年に世界の半導体売上高が1兆ドルに達するという強気な見通しです。

単なるチップの需要増だけでなく、注目すべきは高帯域幅メモリ(HBM)へのシフトです。AI処理には膨大なデータ転送が必要であり、マイクロン・テクノロジー(MU)やSKハイニックスといったメモリ大手がこぞってHBMの増産に動いています。

ここでアプライド・マテリアルズが勝ち組となる理由は、同社がHBMに不可欠な3Dパッケージング技術で市場シェア1位を保持している点にあります。チップを高く積み上げるための材料工学技術は、もはや代替不可能なインフラとなっており、AIブームが続く限り、同社の装置なしでは製品が完成しないという供給側の支配力が強まっています。

驚異的なガイダンスが示す需要の持続性

一般的に、製造装置メーカーは景気循環の影響を受けやすいとされます。しかし、同社が示した次期四半期の見通しは、その懸念を打ち消す内容でした。次期売上高予想は71.5億〜81.5億ドルと市場予想の70.1億ドルを大きく上回り、調整後EPS予想も2.44〜2.84ドルと市場予想の2.28ドルを上回っています。

この数字は、AI関連の投資が一過性の流行ではなく、長期的な設備投資サイクルに入ったことを示唆しています。J.P.モルガンやキーバンクといった主要アナリストが目標株価を大幅に引き上げ、最大450ドルに設定したことも、同社の収益構造がより高収益なAI特化型へとシフトしていることへの裏付けとなります。

20%成長の裏にある確信

CEOが宣言した半導体ビジネスの20%以上の成長という目標は、装置メーカーとしては極めて高い数字です。同業のASMLホールディング(ASML)やラムリサーチ(LRCX)も同様のポジティブなメッセージを発信していますが、アプライド・マテリアルズは材料工学というより基礎的なレイヤーを押さえているため、特定のチップ設計に左右されにくい安定感があります。

株価は過去12ヶ月でほぼ2倍に達していますが、2026年末時点の予想EPSである13.95ドルから逆算すると、現在の株価上昇は単なる期待感だけでなく、着実な利益成長に裏打ちされたものと評価できます。

AI革命がソフトウェアや設計のフェーズから、より高度な製造・パッケージングのフェーズへと深化している今、1兆ドル市場へと突き進む半導体業界において、同社は今後もセクター全体の牽引役であり続ける可能性が高いと考えられます。

情報ソース: Barron’s: “Applied Materials Stock Rises. It’s Another Winner from the Memory-Chip Boom.” (By Adam Clark, Feb. 13, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

*過去記事「エヌビディアの次はここ!2026年に注目される「AI半導体装置」本命銘柄

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