2000億ドルの巨大市場!ヒューマノイドロボット投資の「3つの戦略」

  • 2026年1月15日
  • 2026年1月15日
  • BS余話

これまでAI(人工知能)への投資といえば、大規模言語モデルやソフトウェア開発が中心でした。しかし、バークレイズの最新レポートによれば、AIの「第2波」として、現実世界で物理的に動作する「物理的AI(フィジカルAI)」が主役に躍り出ようとしています。

2026年現在、ヒューマノイドロボットの市場規模は約20億ドルから30億ドル程度に留まっていますが、2035年には最大で2,000億ドル規模にまで拡大する可能性を秘めています。この巨大な新産業において、投資家が注目すべき3つの視点について分析します。

ハードウェアの覇権を握るコンポーネントメーカー

ヒューマノイドロボットが人間と同じように動くためには、高性能なモーター、アクチュエーター、そしてギアといった精密部品が不可欠です。モルガン・スタンレーの予測によれば、2050年までにロボット業界が必要とするモーターの需要は2.5兆ドルに達するとされています。

ここで注目すべき企業が、ドイツのシェフラー(SFFLY)です。シェフラーは既に14社のヒューマノイドメーカーにプロトタイプを供給しており、英国のスタートアップ企業であるヒューマノイド(Humanoid)ともアクチュエーターの供給契約を締結しました。シェフラーのような既存の自動車・産業機器部品メーカーは、長年培った精密加工技術をロボット分野に転用できるため、垂直立ち上げが期待されます。日本企業のTHK(6481)なども、このハードウェアの波に乗る有力な候補として挙げられます。

防衛技術と自律走行のシナジー

ヒューマノイドロボットの開発は、単独の技術として進んでいるわけではありません。ドローンや自律走行車、防衛テクノロジーと密接に関係しています。例えば、エヌビディア(NVDA)のチップは、自律走行車とドローンの両方に採用されています。ルシード(LCID)やエアロバイロンメント(AVAV)といった企業がエヌビディアのプラットフォームを活用している事実は、センサーやモーターの制御技術が異なるドメイン間で共有されていることを示しています。

戦場での足付きロボットや外骨格スーツに使われる技術は、商用ヒューマノイドの技術と本質的に同じです。このため、防衛分野で実績のある企業の技術力は、将来的に家庭用や工場用のロボット市場でも大きなアドバンテージになると考えられます。

「戦略物資」としてのレアアースへの回帰

ロボット産業が急速に拡大すれば、かつての自動車産業における石油のように、特定の資源が戦略的な重要性を帯びることになります。ヒューマノイドロボットの製造には17種類の元素からなる希少土類(レアアース)が欠かせません。

現在、中国がこの分野で圧倒的なシェアを握っており、2025年には約6.2万トンのレアアースを輸出しました。しかし、サプライチェーンの多様化を求める動きの中で、非中国系のレアアース企業への注目が高まっています。特に、米国国防総省が筆頭株主であるMPマテリアルズ(MP)や、オーストラリアのライナス・レア・アース(LYC)は、ロボット時代の「資源供給の要」として存在感を増すことが予想されます。

テスラから新興企業まで広がる競争図

最終製品であるロボット本体の開発では、テスラ(TSLA)の「Optimus」が注目を集めていますが、トヨタ自動車(TM)や現代自動車傘下のボストン・ダイナミクスなども長年の蓄積を持っています。また、1Xテクノロジーズのように2026年後半に家庭用ロボットを米国市場に投入する動きもあり、実用化のフェーズはいよいよ秒読み段階に入ったと言えます。

第1波のAIブームでソフトウェア企業が脚光を浴びた後、この第2波では「動くAI」を支えるハードウェア、資源、そして統合技術を持つ企業が、次の10年の成長を牽引する可能性があります。

情報ソース: MarketWatch: “ 3 ways to invest in what could become a $200 billion market for humanoid robots” (By William Gavin, Jan. 14, 2026)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

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