キャンター・フィッツジェラルドは、アルファベット(GOOGL)の投資判断を「中立」から「オーバーウェイト」へと引き上げました。これに伴い、目標株価は310ドルから370ドルへと上方修正されています。この記事を執筆している1月8日の米国市場午前11時過ぎの時点で、株価は1.9%上昇の328.03ドルで取引されており、市場がこの格上げを好意的に受け止めていることがうかがえます。
アルファベットの株価は過去12ヶ月間で66%上昇しており、同時期のS&P 500指数の17%という上昇率を大きく上回るパフォーマンスを見せています。現在の予想PERは28.6倍と、過去5年間の平均である21.7倍と比較して割高な水準にありますが、市場は現在の株価に将来の成長性を強く織り込んでいると推測されます。
シェア急拡大で見えるジェミニの優位性
人工知能市場における競争において、オープンAIが開発したチャットGPTは当初、圧倒的な先行者利益を享受していました。しかし、直近12ヶ月のデータからは、その勢力図に大きな変化が生じていることが分かります。シミラーウェブの分析によると、グーグルの生成AIである「ジェミニ」の市場シェアは、1年前の6%未満から20%以上にまで急拡大しました。対照的に、チャットGPTのシェアは85%から65%未満へと低下しています。
この背景には、2025年8月に投入された画像生成ツール「Nano Banana」や、同年11月の「Gemini 3」モデルのリリースといった、迅速な製品展開がユーザーの支持を集めたという事実があります。利用者数においても、チャットGPTの週間アクティブユーザー数9億人に対し、ジェミニは月間アクティブユーザー数6億5000万人に達しており、その差は着実に縮まっています。
「実用性」という名の新たな競争軸
今後のAI競争の焦点は、モデル自体の知能の高さから、いかに生活やビジネスに役立つかという「実用性」へと移行していくことが予想されます。特に期待されているのが、複雑な指示を遂行する「AIエージェント」の普及です。
この分野において、アルファベットは極めて強力な優位性を保持しています。グーグルが長年蓄積してきた検索データに加え、マップ情報や決済データといった多角的な情報基盤が、AIの回答をより現実に即した実用的なものに昇華させるからです。例えば、小売や旅行の計画といった日常生活に密着したカテゴリーにおいて、複数のアプリを跨ぐタスクをこなす際、グーグルのエコシステムは他社が容易に真似できない強固な参入障壁(モート)になると考えられます。
過去2年間のアルファベットは、AI競争での遅れが懸念されてきましたが、現在の数値は同社が急速に巻き返しを図り、プラットフォーマーとしての真価を発揮し始めたことを示唆しています。
情報ソース: Barron’s: “Alphabet Stock Gets an Upgrade. How Google Will Beat ChatGPT.” (By Adam Clark, Jan. 8, 2026)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。
*過去記事 アルファベット GOOGL
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