ここ1ヶ月、エヌビディア(NVDA)の株価は調整局面が続いています。直近の1ヶ月で株価は約9.7%下落し、12月12日の終値は175.02ドル(前日比3.3%安)となりました。市場では「AIブームの息切れ」や「競合の台頭」を懸念する声も聞かれますが、現在の下落局面をどのように解釈すべきでしょうか。最新の報道と事実情報を整理すると、今はまさに「次なる飛躍のための助走期間」である可能性が浮き彫りになります。
ブロードコム決算から読み解く「安心感」と「市場の過熱感」
まず、エヌビディアを取り巻く環境を分析する上で無視できないのが、競合でありパートナーでもあるブロードコム(AVGO)の動きです。
ブロードコムは決算で市場予想を上回る結果を出したにもかかわらず、12月12日の株価は11.4%急落しました。ここから読み取れる事実は2つあります。
一つ目は、投資家は単に予想を上回るだけでは満足せず、新たなAI顧客の獲得など「サプライズ」を求めている点です。これはAIセクター全体に対するハードルが極めて高くなっていることを示唆しており、エヌビディアの株価が重い理由の一つと言えます。
二つ目は、ブロードコムからは今回、カスタムチップに関する「重要な新規契約」の発表がなかった点です。これは逆説的に、グーグルのTPU(ブロードコムと共同設計)などの競合チップが、直ちにエヌビディアのシェアを大きく侵食する状況にはないという安心材料として捉えることができます。
グーグルのTPUがエヌビディアの支配力を脅かすという懸念は、最近の株価低迷の一因となっていましたが、現時点では決定的なシェア移動は起きていないと推測されます。
真の起爆剤は「2026年初頭」にあり
では、エヌビディアの株価が再び上昇トレンドに乗るトリガーは何になるのでしょうか。その答えは、次世代チップ「ブラックウェルNVL72」と、それによってトレーニングされるAIモデルの登場時期にあります。
現在、オープンAIなどの主要開発者は、エヌビディアのブラックウェルスーパークラスターを使用して次世代モデルのトレーニングを行っている最中です。重要なのは、ブラックウェルベースの新しいAIモデルが市場に投入されるのが「2026年初頭」と予想されている点です。
現在の株価調整は、ハードウェア(ブラックウェル)の納入から、その成果物であるソフトウェア(新AIモデル)が登場するまでの「タイムラグ」に投資家が痺れを切らしている状態と言えます。しかし、2026年初頭に新モデルが登場し、その圧倒的な性能が証明されれば、グーグルTPUなどの競合に対するエヌビディアの「世代的な優位性」が改めて明確になります。
結論:ターゲット価格275ドルへの道筋
ウォール街のアナリスト(バンク・オブ・アメリカ証券 / ヴィヴェック・アーリ氏)は、依然としてエヌビディアに対して強気の姿勢を崩していません。
投資判断は「オーバーウェイト(買い)」を継続し、目標株価は275ドルに設定しています。現在の175ドル近辺という株価水準と、目標株価275ドルの乖離を見ると、市場は「ブラックウェルが生み出す価値」をまだ十分に織り込んでいない可能性があります。
2026年初頭に向けた新モデルのリリースラッシュが近づくにつれ、市場のセンチメントは「競合懸念」から「エヌビディアの独走確認」へとシフトしていくと考えられます。今は短期的なノイズに惑わされず、次世代モデルが登場する2026年を見据えてじっくりと構える局面と言えます。
情報ソース: Barron’s: “Nvidia Stock Has Stalled for a Month. This Can Get It Moving Again.” (By Adam Clark, Dec 12, 2025)
※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA
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