【2026年米国株展望】なぜJPモルガンは「アルファベット」と「アマゾン」を推すのか?対照的な2社に見るAI収益化の未来

2025年も残すところあとわずかとなりました。AIブームが始まって4年が経過し、投資家の関心はAIへの期待から具体的な収益(ROI)へと完全にシフトしています。

そんな中、米国の大手金融機関JPモルガンが発表したレポートが非常に興味深い内容となっています。彼らは2026年のベスト・アイデアとして、アルファベット(GOOGL)アマゾン(AMZN)の2社を挙げました。

一見すると、また巨大ハイテク企業かと思われるかもしれません。しかし、記事から読み取れる事実情報を深掘りすると、この2社が全く異なるアプローチでAIの勝者になろうとしている構図が見えてきます。

本日は、マーケットウォッチが報じたJPモルガンのレポート内容を基に、2026年の両社の展望を分析します。

1. アルファベット:圧倒的な「モメンタム」と実需の証明

まず、アルファベットの強さは、なんといってもその実績と加速感にあります。

記事によれば、アルファベットの株価は今年(2025年)だけで65%も上昇しています。ここまで巨大な企業が、これほどの成長を見せるのは異例です。なぜこれほど買われているのでしょうか。

その答えは、AIモデル「Gemini」の普及とクラウド事業の数字にあります。

月間アクティブユーザー数が6億5,000万人に達したという事実は、グーグルのAIが実験段階を終え、生活インフラの一部になりつつあることを示唆しています。検索ビジネスがAIに破壊されるという懸念がありましたが、同社は自社製品へのAI統合に成功し、むしろユーザー基盤を盤石にしていると言えます。

特に注目されるのは、グーグル・クラウドの成長率予測です。前四半期の34%成長から、来年は40%超へ加速すると予測されています。企業規模が大きくなれば成長率は鈍化するのが通常ですが、逆に加速しているということは、企業向けAI需要(コンピュート需要)が爆発的に増えている何よりの証拠です。

JPモルガンが設定した2026年末の目標株価385ドルは、この実需に基づいた成長を織り込んだものと考えられます。現在の株価は2027年予想利益の約25倍で取引されていますが、トップライン(売上)の成長加速を加味すれば、プレミアム評価は正当化されると判断できます。

*過去記事 アルファベット GOOGL

2. アマゾン:過小評価からの「復活」とキャッシュフロー

一方のアマゾンは、アルファベットとは対照的な2025年を過ごしました。

今年(2025年)の株価上昇率はわずか5%にとどまっています。AIレースにおいてクラウド部門(AWS)が遅れをとっているという懸念が、株価の重石となっていました。しかし、JPモルガンのアナリストはこの市場の評価を古い(stale)と断じています。

アマゾンにおいて注目すべき最大の理由は、キャッシュフローの劇的な改善です。

JPモルガンは、アマゾンのフリーキャッシュフローが2025年推定の240億ドルから、来年は590億ドルへ倍増すると予測しています。これは驚異的な数字です。AIへの巨額投資を行いつつも、小売事業の効率化(ロボティクス導入など)によって、会社全体でお金が残る仕組みが完成しつつあると言えます。

AWSの売上成長率も2026年には23%へ再加速すると見込まれています。カスタムチップ「Trainium」や基盤モデル「Bedrock」の投入により、技術的な遅れを取り戻しつつあるようです。

アルファベットが攻めのAI成長なら、アマゾンは効率化と復活のAI実装と言えるはずです。株価が出遅れている分、再評価された時のアップサイド(上昇余地)はアマゾンの方が大きい可能性があります。

*過去記事はこちら アマゾン AMZN

3. 4000億ドルの「堀」が意味するもの

最後に、市場全体への影響について考察します。

記事によると、アルファベット、アマゾン、メタ・プラットフォームズ(META)の3社だけで、2026年のAI関連支出は4,000億ドル(約60兆円規模)を超えると予測されています。

これを投資過多と見るか、参入障壁と見るかで投資判断は分かれますが、後者である可能性が高いと考えられます。これほどの規模でインフラ投資を続けられる企業は世界に数社しか存在しません。つまり、2026年以降、AIインフラの寡占化はさらに進み、これら巨大ハイテク企業の優位性は揺るぎないものになると予想されます。

結論:2026年はどう動くべきか

JPモルガンの分析を噛み砕くと、2026年の投資戦略として以下の2つのシナリオが描けます。

  1. 順張り狙いならアルファベット:Geminiとクラウドの成長加速に乗る、王道の成長株投資。
  2. バリュー・逆張り狙いならアマゾン:キャッシュフロー倍増とAWSの復調をカタリストとした、株価の修正局面を狙う投資。

「マグニフィセント・セブン」と一括りにされがちですが、2026年は各社の稼ぎ方の違いがより鮮明になる1年になるはずです。

情報ソース: MarketWatch: “ Why Alphabet and Amazon could be two of the best AI stocks next year ” (By Christine Ji, Dec. 12, 2025)

※本記事は情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

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