株式市場の不安定化で注目されるディフェンシブ銘柄10選

  • 2025年11月10日
  • 2025年11月10日
  • 配当株

米国株式市場が再び揺れ動く中で、投資家の間では「守りの投資」への関心が高まっています。バロンズ誌は、安定した売上と配当を持つディフェンシブ銘柄10社を選出しました。この記事では、その要点と各企業の概要を紹介します。

市場環境とディフェンシブ投資の重要性

2025年11月初旬、S&P500は1.5%下落し、ナスダック総合指数も3%の下げを記録しました。テクノロジー株主導の上昇相場に一服感が出る中、失業や消費者心理の悪化など、経済減速の兆候も見え始めています。こうした環境では、景気後退局面でも業績が比較的安定するディフェンシブ銘柄への投資が有効とされています。

バロンズの選定基準

バロンズはファクトセットのデータを基に、以下の条件でスクリーニングを実施しました。

  • 時価総額が大きく、消費安定、公益、ヘルスケアの3セクターに属する企業
  • 来年の営業利益が5%以上成長する見込み
  • 配当利回りがS&P500平均(約1%)を上回る
  • 配当性向が60%以下(健全な財務基盤の指標)

これらを満たす企業は、株価下落時のクッションとなる安定配当と、インフレ率を上回る成長力を兼ね備えています。

ディフェンシブ銘柄10選と企業概要

AES(AES)

再生可能エネルギーを中心に発電事業を展開する米国の公益企業です。太陽光・風力などクリーンエネルギーに注力し、世界各地で事業を展開しています。配当利回りは5.4%、12カ月予想利益成長率は12%です。

ダラー・ゼネラル(DG)

低価格帯の生活必需品を販売するディスカウントストアチェーンです。景気後退時にも安定した需要を維持し、米国全土に約1万8千店舗を展開しています。配当利回りは3.3%、12カ月予想利益成長率は5.3%です。

メルク(MRK)

がん治療薬「キイトルーダ」をはじめとするブロックバスター薬を多数持つ世界的製薬企業です。ヘルスケアセクターの中でも安定成長が見込まれます。配当利回りは3.1%、12カ月予想利益成長率は16%です。

センターポイント・エナジー(CNP)

テキサス州を拠点に電力と天然ガスを供給する公益事業会社です。規制事業を中心に展開しており、収益の安定性が高い点が特徴です。配当利回りは2.6%、12カ月予想利益成長率は9%です。

アメリカン・ウォーター・ワークス(AWK)

米国内最大の民間水道会社で、住宅・商業施設への水道および下水サービスを提供しています。公益インフラ企業として長期的な安定収益が見込まれます。配当利回りは2.5%、12カ月予想利益成長率は8.4%です。

アトモス・エナジー(ATO)

米国南部を中心に天然ガスを供給する大手公益企業です。人口増加エリアでの需要拡大により、今後も安定成長が期待されています。配当利回りは2.3%、12カ月予想利益成長率は11%です。

クローガー(KR)

米国第2位のスーパーマーケットチェーンで、生鮮食品や日用品を中心に販売しています。自社ブランド商品にも強みを持ち、堅実な経営を続けています。配当利回りは2%、12カ月予想利益成長率は7.8%です。

クエスト・ダイアグノスティクス(DGX)

臨床検査や診断サービスを提供する大手ヘルスケア企業です。医療保険制度に支えられ、景気に左右されにくいビジネスモデルを持ちます。配当利回りは2%、12カ月予想利益成長率は10%です。

アボット・ラボラトリーズ(ABT)

医療機器、診断薬、栄養製品などを手がける世界的ヘルスケア企業です。多角的な事業展開により安定した成長を維持しています。配当利回りは2%、12カ月予想利益成長率は10%です。

NRGエナジー(NRG)

発電および電力販売を手がける独立系電力会社です。再生可能エネルギーへの転換を進め、業績改善が進行中です。配当利回りは1.8%、12カ月予想利益成長率は33%です。

安定した配当と長期的視点の重要性

配当は短期的な株価変動を和らげる「クッション」の役割を果たします。特に、配当性向が低く健全な財務体質を持つ企業は、景気後退局面でも安定したキャッシュフローを維持しやすい傾向にあります。記事では、こうした銘柄をポートフォリオに組み入れることで、リスク分散と安定収益を両立できるとしています。

まとめ

市場の調整局面では、高配当かつ堅実な成長を続けるディフェンシブ銘柄が注目されます。AESやメルク、アボットのような企業は、景気変動の影響を受けにくく、長期投資家にとって魅力的な選択肢といえます。


※本記事はバロンズ(Barron’s)の「10 Defensive Stocks with Market-Beating Yields」(2025年11月8日)を参考に構成しています。

*過去記事はこちら 配当株

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