ショッピファイ株が急落!決算好調でも投資家が満足しなかった理由

カナダを拠点とするEコマース大手のショッピファイ(SHOP)は11月5日、2025年第3四半期決算を発表しました。売上や取扱高(GMV)は市場予想を上回りましたが、投資家の期待には届かず、株価は朝早い段階で一時4%超下落しました。年初来では約63%上昇しているものの、依然として高いバリュエーションに対する警戒感が広がっています。

売上は32%増、予想を上回る成長

ショッピファイの第3四半期売上は28億4,000万ドルとなり、アナリスト予想の27億6,000万ドルを上回りました。また、加盟店の取扱高は32%増の920億ドルに達し、市場予想の891億ドルも上回る結果でした。
一方で営業利益は4億3,400万ドルと前年同期比で53%増加したものの、市場予想の4億3,500万ドルをわずかに下回りました。このわずかな未達が、株価下落の一因となりました。

取引損失とローン損失が倍増

今回の決算で注目されたのは、取引およびローン損失の増加です。これらの損失は前年の5,800万ドルから1億4,800万ドルへと倍増しました。JPモルガンのアナリストは、この増加が「詐欺によるものか、信用リスクによるものかは不明」と指摘しています。特にショッピファイ・ペイメント部門での損失拡大が懸念されています。

今後の見通しは「20%台後半の成長」

ショッピファイは第4四半期について、「20%台半ばから後半の成長率」を見込むと発表しました。これは、アナリストのコンセンサス予想である23%を上回る水準です。
ジェフリーズ証券のサマド・サマナ氏は、年末商戦を含む第4四半期について「建設的な見通しを示すだろう」と述べ、特に取扱高(GMV)の伸びに注目していました。

バリュエーションの高さが投資家心理を圧迫

ショッピファイ株は2025年に入ってから約63%上昇し、パンデミック期の高値を超えています。しかし、依然として株価収益率(PER)は98倍と、S&P500の平均23倍を大きく上回っています。この高い評価が、投資家の慎重姿勢を招いています。
過去には2022年に売上成長鈍化と人員削減を受けて株価が一時30ドルを割り込みましたが、その後は堅調な業績と市場の信頼回復で上昇基調を維持しています。

オープンAIとの提携も追い風に

9月にはオープンAIとの提携を発表し、グロッシエやスティーブ・マッデンといったブランドがChatGPT経由で商品を直接販売できるようになりました。この取り組みはAIとEコマースを融合する新たな試みとして評価されています。

まとめ

ショッピファイは堅実な成長を維持しているものの、投資家は高い期待値とバリュエーションに慎重な姿勢を見せています。AI連携など新たな取り組みが今後の収益源になる可能性がある一方で、消費動向や与信リスクの管理が次の焦点となりそうです。

*過去記事はこちら ショッピファイ SHOP

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