人工知能(AI)の進化は、半導体だけでなく「接続性」そのものを変えつつあります。マーケットウォッチの記事によると、AIモデルが高度化するにつれて、データの伝送速度と効率がボトルネックとなり、銅線から光ファイバーへの移行が不可欠になっているといいます。エヌビディア(NVDA)とノキア(NOK)の6G開発協業は、その象徴的な動きです。
この潮流の中心にあるのが「光接続(optical connectivity)」関連企業です。AIサーバー間で大量のデータを高速伝送する技術は、AIの次の成長フェーズを支える“見えないインフラ”として注目されています。
光通信がAI時代の新インフラに
AIチップの性能が上がるほど、GPU同士の通信量も爆発的に増加します。これにより、従来の銅線接続では限界を迎え、光技術へのシフトが進んでいます。光信号は電気信号より速く、効率的にデータを運べるため、AIデータセンターやエッジコンピューティング(車載AI、ロボットなど)に不可欠な存在になりつつあります。
マーケットウォッチは、米国みずほ証券のアナリストが「光通信関連株はAIブームの中で最も理解されていない分野」と指摘したことを紹介しています。メモリーやGPUのように一般投資家に浸透していない一方で、高成長の可能性を秘めているというのです。
成長が期待される10銘柄
記事では、光通信・ネットワーク分野でAI接続の恩恵を受ける10社を紹介しています。いずれもAIデータセンターのインフラを支える存在で、2025年から2027年にかけて高い売上成長が予測されています。
- アステラ・ラブズ(ALAB)
- クレド・テクノロジー(CRDO)
- ルーメンタム・ホールディングス(LITE)
- アリスタ・ネットワークス(ANET)
- ファブリネット(FN)
- アンフェノール(APH)
- シエナ(CIEN)
- MACOMテクノロジー・ソリューションズ・ホールディングス(MTSI)
- コヒレント(COHR)
- セムテック(SMTC)
この中でも、クレドとルーメンタムは2025年のリターンが100%を超えると予測されており、特に注目を集めています。光モジュールを手がけるルーメンタムやコヒーレント、光部品を組み立てるファブリネットなど、各社がAIデータセンターの通信効率を支える役割を担っています。
高リスク・高リターンの「光AI」投資
これらの企業は高い成長率を誇る一方で、ボラティリティ(株価変動の大きさ)も高く、技術革新のスピードや需給の変化に左右されやすいというリスクもあります。
市場調査会社サーキュラー・テクノロジーのブラッド・ガストウィルト氏は、「2025年に光コンポーネント市場は前年比50%以上拡大し、2026年も勢いを保つ」と述べています。供給不足が続くことで、関連企業の業績は当面支えられる見通しです。
まとめ
エヌビディアがAIの“頭脳”を作り出す存在だとすれば、これらの光通信企業はAIの“神経網”を構築する存在といえます。AI革命の次の波は、チップだけでなく、それをつなぐネットワークそのものに広がりつつあります。
AI関連投資を広げたい投資家にとって、この「AI接続銘柄群」は見逃せない分野になりそうです。
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