24時間株取引が始まる?ウォール街が恐れる新時代のリスクとは

  • 2025年10月27日
  • 2025年10月27日
  • BS余話

米国株市場において、24時間取引が現実味を帯びています。10月23日付けのバロンズの記事では、証券取引所や証券業界が本格的な準備を進めている一方で、市場参加者の不安も高まっていることが紹介されています。

既に動き始めた延長取引の流れ

現在は一般的な取引時間が9:30~16:00(米東部時間)ですが、一部のオンライン証券ではすでに平日24時間取引を提供しています。ニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダックなども夜間の本格稼働を検討しており、2026年にもさらなる拡大が実施される可能性があると伝えられています。

背景には、アジア投資家からの需要や、暗号資産市場が24時間動いていることなどがあると述べられています。

夜間取引の課題は薄い流動性

夜間は参加者が少ないため、売買価格差(スプレッド)が広がりやすく、想定外の価格で取引が成立するリスクがあります。特に個人投資家が不利になる可能性が指摘されています。

急なニュースが夜間に入った場合、流動性が低い中で価格が大きく動き、フラッシュクラッシュの引き金になる懸念も挙げられていました。

閉場がなくなるとどうなるか

取引システムの保守、決済処理、株式分割など、現在は「市場が眠っている時間」に多くの裏方作業が実施されています。市場が止まらない世界では、それらをどのように運用するかが課題として残ります。

また、株価が常時動くことで、トレーダーが休む時間がなくなるため、精神的なストレスも懸念されています。

誰が得をするのか

夜間取引は、高速取引やアルゴリズム取引を行うプロに有利に働きやすいとされています。個人投資家が突発的なニュースに感情的に反応する一方、機関投資家は冷静に利益機会を狙えるためです。

ただし、競争圧力から、多くの資産運用会社が夜間取引対応を進めざるを得ない状況になりつつあると記事は述べていました。

投資家が備えるべきこと

個人投資家は焦って深夜に売買をするより、長期投資を徹底することが推奨されています。夜間の急変動にも冷静に対処できるよう、あらかじめポートフォリオ調整の方針を決めておくことが望ましいという意見が紹介されています。

まとめ

24時間取引は「不可避な未来」として動き始めています。しかし市場構造、参加者心理、投資家保護といった課題が山積していることも明らかです。利便性向上とリスク拡大が表裏一体となる新時代に向けて、投資家として慎重に向き合っていく必要がありそうです。

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