GEベルノバ決算好調 電化需要倍増で売上が過去最大の上振れ

  • 2025年10月22日
  • 2025年10月23日
  • BS余話

電力・再生可能エネルギー企業のGEベルノバ(GEV)は、10月22日に発表した第3四半期決算で売上・受注ともに市場予想を大きく上回り、株価は6営業日ぶりの上昇となりました。全3事業部門で予想を上回る業績を発表し、とくに電化(Electrification)分野での受注増が顕著でした。

電化事業の受注が前年比2倍に

GEベルノバの第3四半期の受注総額は前年同期比で55%増の146億ドルとなり、アナリスト予想の121億ドルを大幅に上回りました。中でも電化部門の受注は102%増と急伸し、中東、北米、欧州の電力網向け機器の需要がけん引しました。
また、ガス発電機器の需要拡大によりパワー部門の受注は50%増加。風力部門の受注もオンショア風力サービスの回復で4%増となりました。

スコット・ストラジック最高経営責任者(CEO)は「電力投資の新時代が始まったばかりであり、当社の成長軌道は加速している」と述べています。

売上高は予想を大幅に上回る

第3四半期の売上高は前年同期比11.8%増の99億7000万ドルで、予想の91億5000万ドルを大幅に上回りました。これは、同社が2024年4月に四半期報告を開始して以来、最も大きな上振れ幅です。

パワー部門の売上は15%増の48億4000万ドルで、重工業用ガスタービンの納入増、サービス需要の拡大、価格上昇が寄与しました。
電化部門の売上は34.9%増の26億ドルで、蓄電システムや高電圧直流(HVDC)スイッチギアの需要増が成長を支えました。
一方、風力部門の売上は8.4%減の26億5000万ドルでしたが、予想の24億6000万ドルを上回りました。減少の主因は洋上風力プロジェクトの中止です。

純利益は黒字転換 通期見通しを維持

GEベルノバは純利益が4億5300万ドルと、前年の9900万ドルの赤字から黒字に転換しました。1株当たり純利益(EPS)は1.64ドルとなり、市場予想の1.95ドルを下回りましたが、事業全体では堅調な成長を示しました。

2025年通期については、売上見通しを従来どおりの360億〜370億ドルのレンジの上限付近とする方針を維持しました。関税の影響は3億〜4億ドルの範囲の下限寄りになると見込んでいます。

株価は年初来78%上昇

同社株は今年に入って78%上昇しており、S&P500指数の14.5%上昇を大きく上回っています。22日のプレマーケットでは一時4%高となり、6営業日続落から反発しました。

電力インフラや再エネ分野への投資が加速する中、GEベルノバは「電化時代」の中核企業として注目を集めています。

*過去記事「電力株の本命?GEベルノバ株が5倍高、AIインフラ需要で急成長中

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