アップル株がダウ平均を牽引 iPhone 17好調でAI懸念を払拭する動き

2025年10月20日、アップル(AAPL)の株価が一時4.6%上昇し、ダウ平均構成銘柄の中でトップの上昇率を記録しました。背景には、iPhone 17シリーズの販売が米国と中国で好調に推移していること、そして将来の新製品への期待感が広がっていることがあります。

iPhone 17シリーズが好発進 米中市場で販売増加

市場調査会社カウンターポイント・リサーチのデータによると、iPhone 17シリーズの発売から最初の10日間で、米国と中国の販売台数は前年のiPhone 16シリーズに比べて14%増加しました。特にベースモデルのiPhone 17は、前年の同モデルを31%上回る売れ行きを示しています。
アナリストのメンメン・チャン氏は、「iPhone 17は価格に対する価値が非常に高く、中国の消費者がそれを評価している」と述べています。

また、カウンターポイントのモーリス・クレーネ氏は、米国の通信キャリアによる補助金が10%増加したことが、iPhone 17 Pro Maxへの関心を高めたと指摘しています。これによりアップルは、プレミアムモデルの販売を強化し、高付加価値な顧客層との関係をさらに強固にしています。

中国市場での巻き返しと新製品への期待

アップルは近年、中国市場での競争激化や製品革新の不足が懸念されてきました。しかし、iPhone 17シリーズの好調な滑り出しがその懸念を和らげています。
メリウス・リサーチのアナリスト、ベン・ライツェス氏は、中国でのiPhone Airの人気に注目しています。同モデルは発売直後に上海や北京など主要都市で即完売となり、今後の売上拡大の起点になると分析しています。

さらに、2026年には折りたたみ式のiPhoneが登場する見通しです。価格は約2000ドルと予想され、より高価格帯への製品シフトを促進する可能性があります。ライツェス氏は、2027年のiPhone 20周年モデルとして登場予定の全面ガラス・カーブデザイン機種と合わせて、アップルが今後数年でさらなる価格支配力を得ると見ています。

AI分野での巻き返しとロボティクス構想

アップルはAI戦略において他社より遅れているとの批判もありますが、2026年初頭に予定されている「Apple Intelligence」アップデートで巻き返しを図る可能性があります。
ライツェス氏は、「アップルはAIに関して最終的に笑う立場になる」と強調しています。

また、AIの進化によって新しいハードウェア製品が登場する可能性もあります。タッチスクリーン搭載のMacBookや家庭用ロボットなどがその例で、ブルームバーグによると、アップルは顔認識機能を備えた卓上型ロボットを開発中と報じられています。
同社のデバイス間の高い統合性とプライバシー重視の設計が、家庭用ロボティクス分野での優位性につながると見られています。

一部アナリストの慎重な見方

一方で、全てのアナリストが楽観的なわけではありません。ジェフリーズのアナリスト、エジソン・リー氏は、iPhone Airの人気がProモデルの販売を食う可能性を指摘しています。また、新モデルの待機期間が短縮していることから、発売直後の需要が一巡したとの見方もあります。

まとめ

アップル株の急伸は、iPhone 17の販売好調と将来の新製品への期待が重なった結果といえます。
折りたたみ式iPhoneや家庭用ロボットなど、今後のイノベーションが現実化すれば、アップルは再びAI時代の中心に立つ可能性があります。
一方で、製品間のカニバリゼーションや需要の持続性といった課題も残されており、投資家は今後の販売データと新技術の展開を注視する必要があります。

*過去記事はこちら アップル AAPL

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