バロンズが「買い」推奨!AIブーム相場の中で光るコルゲート・パルモリーブ

  • 2025年10月19日
  • 2025年10月19日
  • BS余話

米投資情報誌バロンズは10月17日付の記事で、コルゲート・パルモリーブ(CL)を「AI相場の中で買うべきディフェンシブ銘柄」として推奨しました。AIや半導体株が市場を席巻する中で、同誌は「AI主導の市場に対する解毒剤(antidote)」と表現し、コルゲートの堅実な事業基盤と安定した配当を再評価するタイミングだと指摘しています。

生活必需品の老舗が再び注目を集める理由

コルゲート・パルモリーブは200年以上の歴史を持つ生活用品大手で、歯磨き粉「コルゲート」、洗剤「パルモリーブ」、ペットフード「ヒルズ」など世界的ブランドを展開しています。AI関連銘柄が脚光を浴びる一方、こうした日用品企業は地味に映りますが、バロンズは「長期的な安定成長と株主還元の両立」という点で再評価に値するとしています。

2025年は売上成長が鈍化し、株価も過去1年で20%超下落しましたが、バロンズは「現在の水準は長期投資の好機」と分析。記事では、エバコアのアナリストであるロバート・オッテンスタイン氏の「コルゲートは最も質の高い企業の一つ」とのコメントを引用し、同氏が目標株価を100ドルに設定していることを紹介しています(10月17日の終値79.12ドルから26%の上昇余地)。

新興国とペット事業が成長ドライバーに

コルゲートの強みは、売上の約半分を新興国市場から得ている点にあります。ブラジル、メキシコ、インドなどで圧倒的なシェアを誇り、特にインドではオーラルケア市場の約50%を独占しています。バロンズは「インドでは依然として多くの人が一日一回しか歯を磨かないため、成長余地が極めて大きい」と指摘しています。

また、同社のペットフードブランド「ヒルズ」も注目分野です。獣医向けや専門店向けの高付加価値製品が好調で、猫向け製品の拡充を通じて今後の売上成長が期待されています。こうした事業構成が、コルゲートの安定性と収益性を支えています。

62年連続増配の「配当王」

コルゲートは62年連続で配当を引き上げており、130年以上にわたって配当を維持してきた「配当王(Dividend King)」です。現在の配当利回りは約2.7%で、2026年初には年率2.8%への増配が見込まれています。生活必需品セクター特有の安定したキャッシュフローに支えられた株主還元姿勢は、長期投資家にとって大きな魅力となっています。

さらに、株価収益率(P/E)は予想2026年利益ベースで約20倍と、過去10年平均の23倍を下回る水準にあります。バロンズは「割安感が出ており、ディフェンシブ株としての妙味が高まっている」と評価しました。

AI主導市場への“解毒剤”としての役割

テクノロジー株が市場を牽引する今、コルゲートのような生活必需品株は注目されにくい存在です。しかし、バロンズは「コルゲートはAI取引の反対売買に最適な存在」として、防御的なポートフォリオの中核になり得ると分析しています。市場が不安定な局面で堅調に推移し、AI関連株の調整局面では相対的に優位に立つ可能性があるとしました。

AIブームが続く中、投資家心理はどうしても成長株に偏りがちですが、バロンズはあえてこうしたタイミングで“歯磨き粉メーカー”を推奨しています。地味ながらもグローバルで確固たるブランド力を持つコルゲートは、まさに長期投資家にとっての「安定の一本」といえる存在です。

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