レアアース新星ラマコ株、年初来400%上昇の理由

  • 2025年10月17日
  • 2025年10月17日
  • BS余話

ベアード証券のアナリストであるベン・カロ氏は2025年10月16日、ラマコ・リソーシズ(METC)を新たに「買い」推奨とし、目標株価を63ドルに設定しました。同社は石炭生産企業として知られていますが、近年はレアアース(希土類元素)の開発事業にも乗り出しており、その将来性が投資家の関心を集めています。

レアアースの地政学的リスクが追い風に

ラマコ・リソーシズは、米ワイオミング州で「ブルック鉱山」を開発中で、ここには重希土類を中心とした重要鉱物が豊富に埋蔵されています。中国がレアアースの世界供給の約85%を支配している中、米国政府は供給の多角化を進めており、防衛関連分野でもレアアース確保が戦略的課題となっています。カロ氏は、同社が今後、政府との協力・支援を受ける可能性が高いと指摘しています。

MPマテリアルズに続く新たなプレイヤー

米国ではすでにMPマテリアルズ(MP)がレアアース供給の中核を担っていますが、ラマコもまた次世代の有望企業として注目されています。MP株が年初来で約500%上昇したのに対し、ラマコ株もすでに400%超の上昇を記録しており、投資家の期待が高まっています。現時点ではまだ石炭事業が主力ですが、2030年頃にはブルック鉱山のフル稼働が見込まれており、長期的な収益拡大が期待されています。

アナリスト評価は「全員が買い」

ファクトセットによると、現在ラマコ株をカバーしているアナリスト7人全員が「買い」評価を付けています。平均目標株価は46ドルと現株価をやや下回りますが、ベアードの63ドル目標はウォール街で最も強気な見通しです。2030年におけるEBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)を4億4,400万ドルと予測し、13倍のバリュエーションを適用している点も注目されます。

投資家への示唆

レアアースはEV、風力発電、戦闘機など、幅広い分野で欠かせない素材です。米中対立の激化が続く中、ラマコのような「米国内での資源確保」に関与する企業は、政策支援や市場需要の両面で恩恵を受ける可能性があります。まだ発展途上の銘柄であるものの、長期投資先として新たな注目株になりつつあります。

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