2025年10月6日、オープンAIは開発者向けイベントで新機能「Apps SDK」の提供開始を発表しました。この発表を受けて、フィグマ(FIG)をはじめとする複数のテック関連株が上昇しました。中でも、フィグマの株価は一時16.4%上昇し、最終的に7.4%高で取引を終えました。
オープンAIの新機能「Apps SDK」とは?
オープンAIが発表した「Apps SDK」は、ChatGPT内で使えるアプリを開発できるソフトウェア開発キットです。開発者はこのSDKを用いて、ChatGPTユーザー向けにインタラクティブなアプリを提供できるようになります。
CEOのサム・アルトマン氏は、ChatGPTにフィグマを連携させて、手書きスケッチからプロトタイプを生成するデモを披露しました。さらに、スポティファイのような音楽アプリを通じてプレイリストを自動作成する機能なども紹介されました。
株式市場の反応
この発表により、以下の企業の株価が上昇しました。
- フィグマ(FIG): +7.39%
- エクスペディア(EXPE): +2.10%
- ドアダッシュ(DASH): +3.88%
- ウーバー(UBER): +3.62%
- コーセラ(COUR): +0.39%
一方で、ブッキング・ホールディングス(BKNG)やジロー(Z)の株価は下落しました。
AIと既存ソフトウェアの共存は可能か?
AIがソフトウェア市場を脅かすのではないかという懸念が一部の投資家の間で高まっていましたが、今回の発表は「共存可能性」を示すものとなりました。
CFRAリサーチのアナリストであるジャニス・クェック氏は以前、「AIの台頭によってソフトウェア企業が淘汰されるとの懸念は誇張されている」と述べています。同氏は、ソフトウェア企業が独自にAIを開発し始めており、価値提案の幅が広がっている点に注目しています。
SaaS業界の健全な需要継続も示唆
CFRAのカバレッジ下にある大手SaaSベンダーの「未実現売上」(RPO)は増加傾向にあります。これは、企業がツール統合やAI導入に向けた準備を進めていることを示唆しており、ソフトウェアベンダーへの需要が引き続き堅調であることを示しています。
検索業界には逆風も
一方、米国みずほ証券のアナリストチームは「今回の機能拡張はオープンウェブや検索業界にとってはネガティブな材料」と指摘しています。ChatGPTの中で多くのユーザーアクティビティが完結することで、検索エンジンやアプリストアの存在感が薄れる可能性があると警鐘を鳴らしています。
まとめ
今回のオープンAIの発表は、AIと既存ソフトウェア企業の関係を「競合」から「共存」へと再定義するものでした。フィグマやスポティファイのような既存アプリが、ChatGPTというAIプラットフォームに統合されることで、ユーザー体験の幅が広がり、株式市場にもポジティブな影響を与えています。今後、アプリ内課金やマネタイズ機能が追加されれば、さらなる市場の注目が集まる可能性があります。
*過去記事はこちら オープンAI
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