量子コンピューティング株が今注目される理由:アナリストが67%の上昇余地を指摘

  • 2025年10月4日
  • 2025年10月4日
  • BS余話

2025年に入ってから急騰を続けている量子コンピューティング関連株。その中でも特に注目を集めているのが、米国ニュージャージー州に本社を構えるクォンタム・コンピューティング(QUBT)です。

米投資会社Ascendiant Capital Marketsのエドワード・ウー氏は、同社株の目標株価を従来の22ドルから40ドルに引き上げ、「買い」の格付けを継続しました。この新たな目標価格は、記事発表時点の株価から約67%の上昇余地を示唆しています。

株価は12ヶ月で3,000%超の上昇

クォンタム・コンピューティングの株価は過去1年で2,700%以上も上昇しており、まさに注目銘柄のひとつとなっています。実際、同社は2025年8月の決算で売上6.1万ドルを計上し、1株あたり利益も市場予想(6セント)を大きく上回る26セントを記録しました。

興味深いのは、同社の過去のビジネス展開です。かつてはインクジェットカートリッジ販売から飲料流通業に転じ、2017年に買収され現在の量子コンピューティング企業へと転身した異色の経歴を持ちます。

他社と異なる強み:「薄膜リチウムニオベート」製造拠点を保有

競合のイオンキュー(IONQ)リゲッティ・コンピューティング(RGTI)と比較して、クォンタム・コンピューティングが差別化を図っているのがアリゾナ州テンピにある自社製造拠点です。ここでは量子コンピューターの要素技術である「薄膜リチウムニオベート」を製造しており、すでに複数の事前受注を抱えているといいます。

さらに、同社は2025年9月に5億ドル規模のプライベートプレースメント(第三者割当増資)を発表し、2,690万株を新旧大口投資家へ発行する予定です。第二四半期終了時点で現金は3億4,900万ドル、負債はゼロという財務状況も、投資家に安心感を与えていると考えられます。

市場全体も活況、ETFも上昇中

量子コンピューティング業界全体への投資熱も高まっており、関連銘柄を組み入れた「Defiance Quantum ETF」は年初来30%の上昇を記録。これはS&P500(+15%)の2倍に相当します。

ウー氏は「量子技術は、爆発的に増加するデータ処理需要と密接に関係しており、今後の高性能コンピューティングの中核を担う存在になる」と指摘しています。

今後の展望とリスク

ただし、過去1年間で株価が3,249%上昇したという事実は、バリュエーションの高さに対する懸念も伴います。とはいえ、ウー氏は依然として「今後の業界拡大に乗ってさらなる上昇が見込める」と強気の見方を崩していません。

一方、他の量子企業、たとえばディーウェーブ・クオンタム(QBTS)やリゲッティ・コンピューティングなども似たようなパフォーマンスを見せており、市場全体に投資家の期待が集まっていることは間違いありません。


まとめ

量子コンピューティングという未来技術に対する期待は、株式市場にも確実に波及しています。クォンタム・コンピューティングはその象徴的な存在であり、今後も価格変動が激しい中で投資家の関心を集め続けるでしょう。

リスクを理解したうえで、こうした革新的な分野への投資に関心がある方にとっては、動向を注視する価値がありそうです。

*過去記事「リゲッティとイオンキューが国防・エネルギー分野で躍進、量子コンピュータ関連株が上昇

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