米半導体大手エヌビディア(NVDA)の時価総額が4.5兆ドルを突破し、次なるマイルストーン「10兆ドル企業」への期待が高まっています。マーケットウォッチは2025年10月3日、キャンター・フィッツジェラルド社のアナリストチームのレポートを紹介し、同社がAIインフラ分野で圧倒的地位を築いている現状と、今後の成長可能性に焦点を当てました。
キャンター・フィッツジェラルドのアナリストが強気の理由とは?
キャンター・フィッツジェラルドのC.J.ミューズ氏率いるアナリストチームは、「AIインフラ市場はまだ始まったばかり」として、エヌビディアを半導体セクターの最重要銘柄に位置づけました。先月発表されたオープンAIへの1000億ドルの出資は、「AIのエコシステム構築においてエヌビディアが司令塔的な役割を担っている」ことの象徴であると分析しています。
出資先の企業がエヌビディアのチップを購入する構図には「循環的資金調達ではないか」との批判もありますが、同チームはAI市場がまだ初期段階であることを理由に懸念していません。
フルスタックAIデータセンターへの進化
キャンター・フィッツジェラルドのレポートでは、「AIトークンの生成効率」がインフラ構築の収益性を決定づける要素になると述べられています。1つの「計算単位」として機能するフルスタック型のデータセンター構築が鍵であり、エヌビディアはチップ、ネットワーク機器、ソフトウェアまで全てを自社で揃えることが可能です。
この点が他社との明確な差別化要因であり、AI推論・生成市場での競争優位性を支えています。
マーケットの需要と現実のギャップ
AIデータセンターの建設計画は、トークン処理需要の急増を見誤っていたとキャンター・フィッツジェラルドは指摘します。過去の見積もりは「今日の需要にまったく追いついていない」とし、電力と計算能力の制約の中で効率を最大化する戦いが加速していると分析しています。
また、クラウド企業や各国政府にとって、AIインフラの確保は「生存のための戦略的課題」であり、エヌビディアの地位は今後ますます強固になるとみられています。
「10兆ドル」への道は現実的か?
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、2030年までにAIインフラ支出が3〜4兆ドル規模に達すると予測しています。キャンター・フィッツジェラルドも同様に、「トークン需要に対応するには、その程度の支出は必要になる」とし、オープンAIやアンソロピックの成功を例に挙げながら、AI投資の資本効率が非常に高いことを強調しています。
AIエージェントやフィジカルAIの進化により、「生成されるトークン量は爆発的に増加する」との見方を示しており、長期的な成長ストーリーに自信を見せています。
関連銘柄として注目すべき企業
キャンター・フィッツジェラルドのアナリストは、エヌビディア以外にも以下の銘柄を「AIインフラの恩恵を受ける主要企業」として紹介しています。
- ブロードコム(AVGO)
- マイクロン・テクノロジー(MU)
- TSMC(TSM)
- 半導体製造装置関連銘柄全般
AIブームの本格化に伴い、これらの企業にも投資家の注目が集まると予想されています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA
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