2025年9月末、米バロンズが「AIブームの恩恵を受けるのはテクノロジー株だけではない」として、非テック分野でAIに関連する22銘柄を紹介しました。この記事ではその概要を紹介しつつ、投資家が今注目すべき視点を整理します。
ハイテク株に偏らないAI投資とは
エヌビディアやマイクロソフトといったAI関連の代表銘柄はすでに大きく上昇しており、足元では割高感も指摘されています。こうした状況の中、記事では「AIの恩恵を受けながらも過度にテックリスクを抱えない投資先」として、非テックセクターに属する銘柄に注目すべきだと提案しています。
金融セクターに広がるAI導入
とくに金融セクターは、AI導入による効率化が進む業界のひとつです。例えば、顧客対応や市場分析、不正検知などにAIを活用することで、人件費削減と利益率改善が期待されています。
事実、米金融セクターの代表的ETF「Financial Select Sector SPDR(XLF)」は、今後12カ月の予想利益に対して16.8倍のPERで取引されており、テクノロジーセクターの28.5倍と比べて約41%の割安水準にあります。
注目の金融・産業銘柄リスト
リサーチ会社Trivariate Researchの創業者であるアダム・パーカー氏によれば、過去6カ月でAI銘柄と高い相関(80%以上)を示した非テック銘柄には、以下のような企業があります。
【金融セクター】
- JPモルガン・チェース(JPM)
- ゴールドマン・サックス(GS)
- モルガン・スタンレー(MS)
- シティグループ(C)
- アメリカン・エキスプレス(AXP)
- キャピタル・ワン(COF)
- ブラックストーン(BX)
- KKR(KKR)
- アポロ・グローバル・マネジメント(APO)
- PNCファイナンシャル(PNC)
- アメリプライズ・ファイナンシャル(AMP)
- アレス・マネジメント(ARES)
- レイモンド・ジェームズ(RJF)
【産業・消費セクター】
- キャタピラー(CAT)
- イートン(ETN)
- パーカーハネフィン(PH)
- エマソン・エレクトリック(EMR)
- ジョンソン・コントロールズ・インターナショナル(JCI)
- カミンズ(CMI)
- マリオット・インターナショナル(MAR)
- バイキング・ホスピタリティ・グループ(VIK)
- カーニバル(CCL)
事例:シティグループのAI活用と成長期待
シティグループ(C)はAIを用いて市場分析や不正検知、顧客対応の効率化を推進しています。ファクトセットによると、2026年の売上は前年比3%増の874億ドルが見込まれ、営業利益率も現在の37%から40%近くまで上昇する見通しです。これにより、EPS(1株利益)は29%の増加が予想されています。
株価は現在のところ予想PERで11倍と、金融セクター全体よりも割安です。
まとめ:AI×非テックに広がる可能性
AI投資というとついテック株に目が行きがちですが、すでに恩恵を受け始めている非テック企業も数多く存在します。割安なうちに分散投資としてポートフォリオに組み込むことで、より安定したAI関連投資が可能になるかもしれません。
*過去記事「AIに依存しない稼げる株:プロが選んだ11銘柄」
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