ビッグテックは割高?そんな不安に応える「イコールウェイト型」投資戦略

  • 2025年9月29日
  • 2025年9月29日
  • BS余話

米国株式市場では、S&P500の構成銘柄の中でもテクノロジー大手が圧倒的な影響力を持ち続けています。しかし、こうした銘柄の比重が高まる中、「今の株価は高すぎるのでは?」と感じる投資家も少なくありません。そんな懸念に対して、投資情報メディアのマーケットウォッチが取り上げたのが「イコールウェイト型ETF」という選択肢です。

時価総額加重型のリスクと現状

S&P500やテクノロジーセクターETFの多くは、時価総額に基づいて構成比率が決められています。たとえば、S&P500に連動するETF「SPY」は、エヌビディア(NVDA)、マイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)、アルファベット(GOOGL・GOOG)、アマゾン(AMZN)の5社で29%を占めています。テクノロジーセクターETFの「XLK」では、NVDA、MSFT、AAPLの3社で39%を占めるという高集中ぶりです。

この構成はこれまでの株価上昇局面では恩恵をもたらしましたが、同時に「もしこれらの銘柄が下落したら?」という集中リスクも抱えています。

イコールウェイト戦略とは?

インベスコ社が提供する「S&P 500 Equal Weight Technology ETF(RSPT)」は、同じ68銘柄を均等に保有する仕組みです。四半期ごとにリバランスされ、大型銘柄に過度に依存することなく、広くテクノロジーセクター全体に投資できます。

特に注目すべき点は、評価指標の違いです。たとえばRSPTの予想PER(株価収益率)は22.2倍、予想P/S(株価売上比率)は3.4倍です。これに対し、S&P500のテクノロジーセクター全体はPERが30.2倍、P/Sが6.7倍とかなり割高になっています。つまり、イコールウェイト型はバリュエーション面でも相対的に割安であると言えます。

過去のパフォーマンス比較

RSPTは、直近3年間で94%のリターン、5年間で125%、10年間で468%という実績を記録しています。一方、XLKはそれぞれ130%、160%、684%と上回っていますが、S&P500全体(SPY)よりはRSPTのほうが高いパフォーマンスを維持しています。

2025年の年初来リターンでは、RSPTが19%、XLKが20%、SPYが14%と、イコールウェイト型が十分に健闘していることが分かります。

分散投資の観点からも有効

エヌビディアの四半期報告(10-Q)によると、2社の顧客で売上の39%を占めるという事実もあり、特定企業への依存度が高い状態は投資家にとってリスクとなります。その意味でも、RSPTのようなイコールウェイト型は分散投資の観点から優れており、将来の下落局面に備えるポートフォリオとして有望です。

類似ETFの紹介

RSPTの競合となるETFとしては、以下の4つが紹介されています。

  • SPDR NYSE Technology ETF(XNTK)
  • First Trust Nasdaq-100 Technology Sector Index Fund(QTEC)
  • SPDR FactSet Innovative Technology ETF(XITK)
  • ProShares S&P Technology Dividend Aristocrats ETF(TDV)

これらもテクノロジーセクターを対象としていますが、それぞれの運用方針や経費率、リターンに差があるため、比較検討が必要です。

まとめ

テクノロジーセクターへの投資熱が続く中で、「高すぎるバリュエーションが不安」「大型株に集中しすぎている」と感じている方にとって、イコールウェイト型のETFは有効な選択肢となります。特にRSPTは、バリュエーション面・分散性・パフォーマンスのバランスが取れており、長期保有にも適しています。

🎧この記事は音声でもお楽しみいただけます。AIホストによる会話形式で、わかりやすく、さらに深く解説しています。ぜひご活用ください👇

最新情報をチェックしよう!