2025年9月25日(木)の米国株式市場は3日連続での下落。ダウ平均は179ドル(0.4%)安、S&P500は0.5%安、ナスダックも0.5%安と、3指数そろっての下落の継続は3月以来となりました。2年債利回りは3.66%、10年債は4.17%まで上昇。第2四半期GDPが3.8%に上方修正され、利下げ観測が後退。S&P500は依然として50日移動平均を上回っていますが、短期的な過熱感やバリュエーションの高さが警戒されています。
以下は、25日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。
リチウム・アメリカス (LAC)
株価変動: +22.63%
詳細: カナダに拠点を置くリチウム採掘企業であるリチウム・アメリカスは、主に電気自動車(EV)向けバッテリーに必要なリチウムを供給しています。米国政府が同社に最大10%の出資を検討しているとの報道を受けて、株価が大幅に上昇。これは、エネルギー省から承認された23億ドルのローンの再交渉の一環とされ、米国のリチウム供給の安定化を目指す動きとして注目されています。
インテル (INTC)
株価変動: +8.87%
詳細: インテルは世界最大級の半導体メーカーであり、主にPCおよびサーバー向けプロセッサを提供しています。アップルに出資を打診したとの報道が伝わり、将来的な提携強化への期待から株価が急騰しました。報道によれば協議は初期段階にあるものの、テクノロジー業界におけるインパクトの大きな動きとして市場の注目を集めました。
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IBM (IBM)
株価変動: +5.20%
詳細: IBM(インターナショナル・ビジネス・マシーンズ)は、ITサービスやクラウドコンピューティング、人工知能、量子コンピュータなど多岐にわたる技術ソリューションを提供しています。HSBCがIBMの量子コンピュータを活用し、債券取引の予測精度を34%改善したと発表したことで、技術革新への期待が高まり、株価が上昇しました。
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オラクル (ORCL)
株価変動: -5.55%
詳細: オラクルは企業向けデータベースソフトウェアやクラウドサービスを提供する米国の大手IT企業です。同社は180億ドル規模の社債を発行し、資金調達に動いたことが懸念材料となりました。加えて、ロスチャイルドのアナリストが「売り」評価を出したことが、クラウド事業の期待過剰と見なされ株価の下押し要因となりました。
フリーポート・マクモラン (FCX)
株価変動: -6.19%
詳細: フリーポート・マクモランは、世界有数の銅・金生産企業で、特にインドネシアや南米で大規模鉱山を運営しています。同社はインドネシアの鉱山での操業停止やインフラ損傷により、第3四半期の銅と金の販売予測を下方修正。これを受けて株価が続落しました。
ジェイビル (JBL)
株価変動: -6.69%
詳細: ジェイビルは、アップルを含む大手企業に電子機器の受託製造(EMS)サービスを提供するアメリカの製造企業です。第4四半期決算は市場予想を上回り、通期見通しも良好だったものの、投資家の利益確定売りや材料出尽くし感が影響し、株価は下落しました。
オクロ (OKLO)
株価変動: -9.18%
詳細: オクロは、クリーンエネルギー供給を目指し小型原子炉(SMR)の開発を進めています。2031年時点でも売上は3億ドル未満と予測されており、時価総額200億ドルという現在の価値に慎重な見方が広がり、株価が大きく下落しました。さらに、米エネルギー長官のクリス・ライト氏が以前オクロの取締役を務めていたことに対し、「利益相反ではないか」と懸念を持たれているほか、核燃料供給をめぐる安全保障上の問題も指摘され、政治的リスクも意識される状況です。
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カーマックス (KMX)
株価変動: -20.07%
詳細: カーマックスは全米最大級の中古車販売チェーンを展開する企業です。第2四半期決算では、1株当たり利益がアナリスト予想を大きく下回る64セントにとどまり、同店売上高も前年同期比6.3%の減少と、厳しい業績が明らかになりました。この決算を受けて株価は大幅に下落しました。
*過去記事 株価変動
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