AIデータセンター関連銘柄として注目を集めていたブルーム・エナジー(BE)が、株価急騰の反動で急落しています。ジェフリーズは「ファンダメンタルズに対する熱狂」と表現し、同社の株をホールドからアンダーパフォームに格下げしました。
同社株は過去12ヶ月で540%もの上昇を遂げた一方、9月24日の取引では10.6%下落し、2営業日連続で2桁下落となりました。
ブルーム・エナジーのビジネスモデルとは?
ブルーム・エナジーは、天然ガスや水素から電力を生成する固体酸化物形燃料電池(SOFC)を開発・販売しています。特に近年は、AIブームに伴うデータセンター向け電力需要の高まりを受け、注目が集まっています。
オラクル(ORCL)やアメリカン・エレクトリック・パワー(AEP)といった大手企業との提携も発表されており、AIインフラの「代替電源」としての立ち位置を確立しつつあります。
楽観視される成長の裏で浮かび上がる懸念点
ジェフリーズは、同社が「ハイパースケールクラウド事業者からの需要を取り込む」との期待が先行しすぎていると指摘しています。
現在、ブルームの株価は今後12ヶ月の予想利益の約81倍という高いバリュエーションで取引されています。これはS&P500の平均22.9倍を大きく上回っています。
また、オラクルとの契約においても90日間での電力供給開始というスピードは評価されるものの、契約規模が明確でなく、複数年契約も結ばれていない点が懸念材料とされています。
成長の持続には「具体的な受注」が不可欠
ブルームは2024年にアメリカン・エレクトリックと最大1ギガワットの供給契約も発表していますが、これも複数のデータセンタープロジェクトの存在が前提条件となります。
同社は2027年までに年2ギガワットの製造能力を目指して生産体制を拡大中です。しかし、ジェフリーズは「2027年以降の具体的な受注見通しが不透明」として、成長の持続可能性に疑問を投げかけています。
AI関連銘柄でも「売り」判断は存在する
AI需要という強い追い風の中にあっても、すべての関連銘柄が安泰とは限りません。ブルーム・エナジーのように、高バリュエーションが先行し、受注の実態が追いついていない企業は、慎重な見極めが必要です。
投資家としては、AIテーマの熱狂に惑わされることなく、個別銘柄のファンダメンタルズや契約の中身に目を向けることが求められます。
*過去記事「ブルーム・エナジー株が急騰中、オラクルとの提携が成長加速の鍵に」
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