オラクルが新CEOを2名指名、株価は好反応

  • 2025年9月23日
  • 2025年9月23日
  • BS余話

2025年9月22日、米テック大手オラクル(ORCL)は、現CEOのサフラ・キャッツ氏がCEO職を退任し、新たにクレイ・マグワーク氏とマイク・シシリア氏の2名が共同CEOに就任することを発表しました。キャッツ氏は経営から完全に退くわけではなく、今後はエグゼクティブ・バイスチェアとして引き続き会社に関与します。

この発表を受けて、オラクルの株価は22日の米国市場で大幅に上昇し、昼過ぎの段階で約5%高となりました。株価が好反応を示した背景には、スムーズなリーダーシップ移行への期待感があると見られています。

次世代リーダーによるクラウド戦略の加速に期待

新たにCEOに就任するマグワーク氏は、これまでオラクルのクラウド基盤事業(OCI)のプレジデントを務めており、過去にはアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)での経験もあります。一方、シシリア氏は業界向けアプリケーションやAI活用分野に強みを持つ人物で、オラクルの業種別クラウドビジネスを牽引してきました。

両者ともエンジニア出身であり、今後の技術革新に対する指揮能力が評価されています。特にクラウド関連事業のさらなる強化と、業種別ソリューションの成長が注目される中、この人事は理にかなっていると専門家は分析しています。

キャッツ氏とエリソン氏の継続的な関与で安定性を確保

キャッツ氏は声明の中で「現在の強い体制の中で、次世代にバトンを渡すのは最適なタイミング」と語っています。また、共同創業者であり現CTOのラリー・エリソン氏は、キャッツ氏との26年間のパートナーシップを継続しながら、会社の方向性と成長を共に導いていくと述べました。

なお、今回のCEO交代に伴い、オラクルは既に今月発表した通期見通しを据え置いています。この姿勢からも、経営上の不確実性は小さく、事業の継続性が保たれると見て良さそうです。

今後の注目ポイント

オラクルは過去にも共同CEO体制を採用しており、今回が初めてではありません。今回の人事では、クラウド事業と業種別アプリケーションのリーダーが同時に昇格しており、事業の中核を担う分野の強化が期待されます。アナリストの間でも、同社のクラウド分野での急成長を背景に、今回の人事は株主にとって好材料との見方が広がっています。

今後は、マグワーク氏が主にOCIやデータベース分野を、シシリア氏が業種別ソリューションとアプリケーションの営業面をリードしていくと見られており、クラウド分野での一層の攻勢が予想されます。

*過去記事「オラクル急成長の裏側:ラリー・エリソンと1440億ドルの野望

🎧この記事は音声でもお楽しみいただけます。AIホストによる会話形式で、わかりやすく、さらに深く解説しています。ぜひご活用ください👇

最新情報をチェックしよう!