2025年9月18日、量子コンピュータ関連企業が米国政府機関との大型契約を発表し、株価が一斉に上昇しました。
リゲッティが米空軍と580万ドル契約を締結
リゲッティ・コンピューティング(RGTI)は、米空軍研究所(AFRL)との3年間にわたる契約を正式発表しました。契約金額は580万ドルで、量子ネットワーキング技術の開発が目的です。
このプロジェクトは「Hybrid Superconducting-Optical Quantum Network Nodes」と呼ばれ、オランダのスタートアップ企業QphoXと連携して、量子コンピュータ間での情報伝達技術の確立を目指す研究開発(R&D)フェーズのものです。
リゲッティのCEO、スボード・クルカルニ氏は「量子状態での情報転送が可能になれば、将来的にはデータセンターインフラの一部として量子コンピュータが統合されるだろう」と語っています。実用化の目処は5~10年後とされています。
同社はこの契約のほかにも米空軍と2件の契約を保有しており、長期的な連邦政府プログラムにも参加中とのことです。
イオンキュー、エネルギー省との提携を発表
イオンキュー(IONQ)は、米国エネルギー省(DOE)と量子技術の宇宙分野への応用を目指す覚書(MOU)を締結したと発表しました。
この発表は、イオンキューが英オックスフォード・アイオニクスの買収を完了し、さらに米ベクター・アトミックの買収にも合意した直後に行われました。両取引の総額は13億ドルとされており、今年初めの一連の買収を含めると、イオンキューは量子計算・センシング・ネットワーク分野を網羅する「包括的な量子プラットフォーム」へと進化しています。
CEOのニッコロ・デ・マシ氏は、「イオンキューは地上、海上、空中、そして宇宙にまで展開する量子企業になった」と強調しました。
*過去記事「イオンキューが英米スタートアップ2社を買収!量子技術の覇権争いが加速」
量子関連株が一斉に上昇
このニュースを受けて、関連銘柄が大きく反応しました(米国東部夏時間12:45現在)。
- リゲッティ(RGTI)は14%高の25.13ドルに上昇し、過去最高値圏に到達。
- イオンキュー(IONQ)は4.0%上昇。
- ディーウェーブ・クオンタム(QBTS)は5.4%上昇。
- クォンタム・コンピューティング(QUBT)は4.5%上昇。
今後の注目ポイント
量子ネットワーキングは、量子コンピュータをスケーラブルに成長させるための鍵となる分野です。今回のリゲッティとイオンキューの動きは、量子技術の国家レベルでの戦略的活用を示すものであり、今後の商業化や投資機会にも注目が集まります。
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