オラクル株が時間外で+27%急騰!AIクラウド契約が爆発的成長

  • 2025年9月10日
  • 2025年9月10日
  • BS余話

2025年9月9日、オラクル(ORCL)の株価が時間外取引で27%も急上昇しました。背景には、決算自体は予想をやや下回ったものの、AI関連クラウドサービスの需要が爆発的に増加し、同社の「契約残高(バックログ)」が過去最大に達したことがあります。

EPSはほぼ一致、売上は予想未達

2026年度第1四半期の調整後1株利益(EPS)は1.47ドルと、アナリスト予想の1.48ドルにほぼ一致。売上は149億ドルと、予想の150億ドルをわずかに下回りました。しかし、前年同期比で12%の増収となっており、成長基調は維持されています。

AIクラウド需要がけん引──契約残高は4550億ドルに

最も注目されたのは、クラウド契約の「契約残高(RPO)」の大幅増加です。前四半期に1380億ドルだった契約残高は、今期には一気に4550億ドルまで拡大しました。これは、AIクラウド向けサーバーを求める企業からの引き合いが急増していることを意味します。

オラクルのCEOサフラ・キャッツ氏は、「第1四半期だけで3社から4件の数十億ドル規模の契約を獲得した」と述べ、今後数カ月でさらに契約数が増える見通しも示しました。

顧客にはオープンAI、xAI、メタなどが名を連ねる

オラクルのクラウドサービスには、AI業界をけん引する企業が多数集まっています。オープンAI、xAI、メタ(META)、エヌビディア(NVDA)、AMD(AMD)などが契約企業に含まれ、オラクルがAIインフラ市場の本格的なプレイヤーになりつつあることが明らかになりました。

データセンター投資を強化、キャッシュフローには圧力

この爆発的な成長を支えるために、オラクルは今後の設備投資を加速させます。2026年度の資本支出(CapEx)は350億ドルに達する見込みで、2020年の16億ドルから大幅な増加です。

一方で、フリーキャッシュフローは2四半期連続でマイナスとなっており、株主還元よりも成長投資を優先するフェーズに入っていることが読み取れます。

クラウドが売上の半分を占めるまでに成長

かつてはオンプレミスのソフトウェアが中心だったオラクルですが、今ではクラウドサービスが売上のほぼ半分を占めるまでに成長しました。2022年第1四半期には25%だったクラウド売上比率が、2025年第1四半期には約50%にまで上昇しています。

今後の注目ポイント

  • AIクラウド契約がさらに積み上がるか
  • データセンター投資のスピードと効率性
  • フリーキャッシュフローの改善タイミング
  • オラクルの株主還元戦略の再開時期

急成長とともに構造改革を進めるオラクル。伝統的なソフトウェア企業からAI時代のクラウド企業へと変貌を遂げる過程で、投資家にとっても注目度が高まっています。

*過去記事「オラクル、AI成長で時価総額1兆ドルへの道筋

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