エヌビディアが量子企業クオンティニュアムに出資、次なるAI革命の布石か

2025年9月4日、AI半導体の最大手であるエヌビディア(NVDA)が、量子コンピューティングを手がけるクオンティニュアム(Quantinuum)への出資を発表しました。この動きは、量子関連分野全体にも影響を与えており、投資家の注目が集まっています。本記事では、出資の背景と今後の展望について紹介します。

クオンティニュアムとはどのような企業か?

クオンティニュアムは、ハネウェル・インターナショナル(HON)が過半数を保有する非上場の量子コンピュータ企業です。今回、事前評価額100億ドルで6億ドルの資金調達を実施し、エヌビディアのベンチャー部門(NVentures)も新たに参加しました。

他にも、JPモルガン・チェース、三井物産、アムジェンなどが既存投資家として名を連ねています。

エヌビディアが注力する「ハイブリッド量子計算」

エヌビディアは量子マシンそのものを開発するのではなく、量子コンピューターとクラシカル(従来型)マシンを連携させる「ハイブリッド量子計算」に注力しています。

エヌビディアとクオンティニュアムは2022年から提携しており、クオンティニュアムは同社の量子開発ツール「CUDA-Q」と初めて統合された企業です。両社はボストンに共同の量子研究センターも構えており、「Guppy」と呼ばれる新しい量子プログラミング言語もCUDA-Qとの互換性を前提に開発されています。

クオンティニュアムの上場計画と業界の今後

クオンティニュアムは、2026年から2027年ごろのIPO(新規株式公開)を計画中です。ただし、量子コンピューター業界全体が未だ赤字状態である点は留意が必要です。

クオンティニュアムは2029年までに完全な誤り耐性を持つ量子コンピューターの実現を目指しています。インターナショナル・ビジネス・マシーンズ(IBM)も同様に、同年に「大規模で誤り耐性のあるスーパーコンピュータ」を発表予定としています。

まとめ:量子革命の布石か、まだ遠い未来か

今回のエヌビディアによる出資は、量子技術のポテンシャルに対する強い信頼の表れといえます。商業化にはまだ時間がかかるものの、世界最大の時価総額を持つ企業が動いたという事実は、量子コンピューティングの将来に対する市場の期待を裏付けるものです。

長期投資家にとっては、今は量子分野の“助走期間”をどう捉えるかが重要な分岐点となりそうです。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA


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