9月4日の米国市場で注目された大きく動いた銘柄

2025年9月4日(木)の米国株式市場は、S&P500が過去最高値で取引を終えました。弱い労働市場データを受け、9月の利下げ確率は97.4%に上昇。年内3回の利下げの可能性も48%に拡大しました。主要株価指数は全面高で推移し、市場の健全性を示唆しています。

以下は、4日に注目され、株価が大きく動いた銘柄とその詳細です。

アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ (AEO)

株価変動: +37.96%
詳細: アメリカン・イーグル・アウトフィッターズは若者向けカジュアル衣料を展開する米国のアパレル小売企業です。5月に撤回していた通年ガイダンスを再提示し、通期の営業利益見通しを2億5,500万〜2億6,500万ドルと大幅に上方修正。広告に女優シドニー・スウィーニー、NFLのトラビス・ケルスを起用したキャンペーンも業績に貢献し、株価は急騰しました。

シエナ (CIEN)

株価変動: +23.31%
詳細: シエナは通信事業者向けに光通信ネットワーク機器を提供する米企業です。第3四半期の決算で売上・利益ともに市場予想を上回り、加えて第4四半期の見通しも好調。コスト削減策として4〜5%の人員削減を発表したことも市場から好感され、株価は大きく上昇しました。

イノデータ(INOD)

株価変動: +12.05%
詳細: イノデータはテキスト、画像、動画、センサー情報といった未整理データを、AIに最適な形へ変換するデータエンジニアリング企業です。投資情報誌バロンズが、AI市場において、イノデータのような「データ品質を担保する企業」こそが、AIモデルの進化に不可欠であり、今後も高い需要が見込まれると評価し、「買い」推奨したことから、株価は大きく上昇しました。
*関連記事「AIを育てるデータ企業、イノデータ株に再注目!バロンズが強気評価

クレド・テクノロジー (CRDO)

株価変動: +7.40%
詳細: クレド・テクノロジーは、AIデータセンター向けの高速通信チップを開発・提供する半導体企業です。第1四半期決算では、売上が前年同期比で+274%の2億2,310万ドル、調整後1株利益が52セントと、アナリスト予想を大きく上回る好結果を発表しました。次期の売上見通しも市場予想を超えており、株価が上昇しました。
*関連記事「クレド・テクノロジー急成長、次のAIスター銘柄候補に浮上

T.ロウ・プライス (TROW)

株価変動: +5.84%
詳細: T.ロウ・プライスは米国を拠点とする大手資産運用会社です。ゴールドマン・サックスが最大10億ドルを投じてT.ロウ・プライス株を買い増す計画を発表したことで投資家心理が改善。同時に、退職金や富裕層向けにオルタナティブ資産を活用した商品提供で両社が提携することも株価上昇の要因となりました。

ヒューレット・パッカード・エンタープライズ (HPE)

株価変動: +1.49%
詳細: HPEは、クラウド、ネットワーク、サーバーなどの法人向けITインフラを提供する企業です。Juniper Networksの買収によりネットワーク部門の売上が前年同期比+54%と大幅に拡大。これを受けて通期売上成長率の見通しを14〜16%へ、EPS見通しも1.88〜1.92ドルへと上方修正し、株価は上昇しました。

ブロードコム (AVGO)

株価変動: +1.23%
詳細: ブロードコムは、データセンター、スマートフォン、AI向け半導体を中心に製品を展開する米国の大手テクノロジー企業です。第3四半期決算発表を控え、AI関連の売上成長期待が高まる中、株価は堅調に推移しました。

アルファベット (GOOGL)

株価変動: +0.71%
詳細: アルファベットはGoogleの親会社で、検索、広告、クラウド、YouTubeなど幅広いテック事業を展開しています。独占禁止法訴訟で、Google Chromeの分離を求める要求が裁判所で棄却されたことが安心材料となり、株価が上昇しました。

アップル (AAPL)

株価変動: +0.55%
詳細: アップルはiPhoneやMacなどを展開する世界最大級のテクノロジー企業です。米裁判所が、GoogleがApple製品においてデフォルト検索エンジンとして契約を継続することを許可したことで、収益安定への期待が高まりました。モフェットナサンソンによる格上げも支援材料となりました。

ナイソース (NI)

株価変動: -4.71%
詳細: ナイソースは中西部を中心に電力および天然ガスを供給する公益事業会社です。傘下企業のスピンオフが規制当局の人事変更により実現困難となる懸念が高まり、株価が下落しました。

セールスフォース (CRM)

株価変動: -4.85%
詳細: セールスフォースは、顧客関係管理(CRM)クラウドサービスの世界的リーダーです。第2四半期の決算は良好だったものの、第3四半期のガイダンスが市場予想に届かず、バックログ成長の鈍化懸念も加わり、株価は下落しました。
*関連記事「セールスフォース株が急落、好決算でも不安が残るAI投資の行方

シースリー・エーアイ (AI)

株価変動: -7.31%
詳細: シースリー・エーアイは企業向けAIソフトウェアを提供する企業です。第2四半期の売上ガイダンスが市場予想を大きく下回ったことに加え、創業者であるThomas Siebel氏がCEOを退任し、新たにStephen Ehikian氏がCEOに就任する人事も発表され、株価は下落しました。

ギットラブ (GTLB)

株価変動: -7.35%
詳細: ギットラブはソフトウェア開発を効率化するDevOpsプラットフォームを提供する企業です。第2四半期の売上が市場予想を下回り、第3四半期のガイダンスもネガティブな内容となりました。加えて、CFOのBrian Robins氏がスノーフレークへ転職することが発表され、株価は大きく下落しました。

フィグマ (FIG)

株価変動: -19.92%
詳細: フィグマはWebブラウザ上で動作するUI/UXデザインツールを提供するソフトウェア企業で、2025年7月に新規上場しました。第2四半期決算では、売上が市場予想の2億5,000万ドルに届かず、1株利益もゼロと予想を下回り、失望売りを招きました。
*関連記事「フィグマ決算:売上41%増も、株価は14%急落

*過去記事 株価変動

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