人工知能(AI)の進化は、データセンター需要の急拡大を促しています。その中心に位置するのがエヌビディア(NVDA)です。2025年の最新決算説明会で、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、今後のAIデータセンターが1ギガワット規模で建設され、その構築費用は約500億ドルに達すると述べました。
このうち、エヌビディアのハードウェアには約350億ドルが必要となり、残り150億ドルは補完的な設備やインフラに充てられるとしています。そして、そのような「AIスーパーファクトリー」は複数ギガワット規模になる見通しです。
オープンAIが推進する「スターゲート計画」
チャットGPTの開発元であるオープンAIは、インドに1ギガワット規模のデータセンター建設を計画しており、アメリカ国内外でも複数の同様施設の建設を進めていると報じられています。これらのプロジェクトは、「Stargate(スターゲート)」と呼ばれるAIインフラ計画の一環であり、総額5000億ドルに達する巨大プロジェクトとされています。
ブルームバーグの報道によれば、オープンAIはインドでのデータセンター構築に現地パートナーを求めており、その他にもアブダビでは1ギガワット規模のクラスターをすでに発表しています。
この規模の投資が現実となれば、エヌビディアの想定する「年3兆~4兆ドル規模のAIインフラ市場」という見通しが裏付けられることになります。
オラクルとの提携も進行中
オープンAIはすでにオラクル(ORCL)と米国内で4.5ギガワットのデータセンターキャパシティ構築に合意しており、今後さらにプロジェクトが拡大する可能性があります。2024年末時点で北米全体のデータセンター容量は22ギガワットとされており、これらの開発が実現すれば、その比率を一気に塗り替える規模となります。
なお、オープンAIは「スターゲート」計画の資金調達方法について詳細を明かしていませんが、市場では民間投資やパートナー企業の協力を含めた複合的な資金スキームが模索されているとみられています。
AIインフラ需要は減速せず、今後も持続的に拡大
D.A.デビッドソンのアナリスト、ギル・ルリア氏はリサーチノートで次のように述べています。
「2025年はAIサイクルのピークになると以前は考えていたが、過去6か月間のAIモデルの進化と普及のスピードを踏まえると、推論(インファレンス)需要の拡大は今後も継続すると予想される。」
このような見解は、AI分野への設備投資が単発のブームではなく、長期的なトレンドとなることを示唆しており、エヌビディアにとっては中長期的な成長ドライバーとなり得ます。
まとめ:エヌビディアの成長を支える「スターゲート」の行方に注目
オープンAIによる数ギガワット規模のデータセンター建設は、単にインフラの増強にとどまらず、エヌビディアをはじめとするAI関連企業に巨額の商機をもたらす可能性があります。
今後も、AIインフラ市場がどのように拡大していくか、そしてその中心でエヌビディアがどのような役割を果たすかに注目が集まります。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA
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