エヌビディア、中国問題より重要なのは“次世代AI製品”の出荷加速

2025年8月29日公開のバロンズのコラムにて、Tae Kim氏はエヌビディア(NVDA)の最新決算と将来展望を分析しています。同コラムは、中国との地政学リスクにばかり目を奪われるのではなく、最重要製品「NVL72」ラックサーバーの出荷本格化こそが最大の注目点であることを強調しています。

決算は好調、中国リスクにもかかわらず見通しは上向き

7月期第2四半期の売上高は前年比+56%の467億ドル。市場予想を超える好決算となり、第3四半期も中間値540億ドルの売上ガイダンスを発表しました。これは中国市場からの売上を一切含まない数字でありながら、ウォール街のコンセンサス(534億ドル)を上回る強気な見通しです。

ただし株価は、過去3カ月での大幅な上昇を受けて一時的に下落しました。H20チップの中国での販売がゼロだったことや、輸出規制の影響が続いていることも懸念材料として意識されました。

中国問題は“騒音”にすぎないとコラムは指摘

H20は中国向けに設計されたAIチップですが、米中間の政治的な綱引きにより販売が停止状態にあります。エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、「中国政府自らが輸出ライセンスを求めたにもかかわらず、販売停止に至ったのは理解しがたい」とコメントし、引き続き対話を続けているとしています。

とはいえ、Tae Kim氏のコラムでは、こうした地政学的な問題は一時的なノイズにすぎず、エヌビディアの根本的な成長力を揺るがすものではないと明確に述べられています。

本質的な注目点は「NVL72」ラックの出荷本格化

コラムの最大のポイントは、新型AIサーバー「NVL72」の出荷が本格化しているという点にあります。この製品は、1ラックに72基のGPUを搭載し、AIの学習・推論をかつてないスピードと効率で実現するものです。旧世代の8基構成と比べて圧倒的な性能を誇り、1ラックの価格は数百万ドルにも上ります。

エヌビディアはこの製品を「ラックスケール・コンピューティング」と呼び、AI開発の新しい標準として位置づけています。すでに製造は本格化しており、初期の生産上の課題は解消されました。

ジェンスン・フアン氏は決算説明会で「革命的な世代交代であり、推論AIモデルの急成長にちょうど間に合った」と語り、同社の次の成長を牽引する中核製品として自信を見せました。

ネットワーク部門の急成長が出荷開始を裏付ける

NVL72ラックは大量のネットワークインフラを必要とするため、同社のネットワーキング部門にも大きな影響を与えています。第2四半期における同部門の売上は、前四半期比で+46%と大幅に増加しました。これはNVL72が実際に出荷され始めている証拠だとコラムでは述べられています。

今後数四半期にわたり、ラックサーバーの需要はAIブームの加速とともに急増していく見通しです。

割高に見えて、実は“割安”な水準

現在のエヌビディア株は、今年4月の安値から倍増しているものの、2025年度の利益成長率(+50%以上)を踏まえると、予想PERは約32倍にとどまります。Tae Kim氏は「これはまだ“割安”と言える水準であり、売るべき理由はない」と断言しています。

まとめ:エヌビディアを評価するなら、製品の進化に注目すべき

バロンズのコラムは明確に述べています。中国との外交リスクに気を取られるのではなく、エヌビディアがどのような製品を世に送り出しているかを見るべきであると。

NVL72ラックは、AIコンピューティングの新たな基準となる可能性があり、これから数四半期にわたって同社の業績を大きく押し上げると予想されます。株主は短期的なノイズではなく、こうした製品ドリブンの成長に注目し、長期的な視点で保有を続けるべき局面にあるといえます。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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