AI関連の中核企業であるエヌビディア(NVDA)は、2025年7月期決算で市場予想を上回る結果とガイダンスを発表しましたが、中国市場に対する懸念が残る中、アナリストの間では強弱入り混じった評価が出ています。本記事では、主要アナリストによる評価と目標株価の変更動向をまとめます。
JPモルガン:目標株価を215ドルに引き上げ、強気を維持
JPモルガンは、エヌビディアの7月期売上が「ブラックウェル GPUによる前四半期比11〜12%の成長と、ネットワーキング部門の46%増加によって牽引された」と評価しています。さらに、地政学的リスクがあるものの、中国向け「H20」チップの販売が第3四半期に最大50億ドル以上の上振れ要因になる可能性があるとし、目標株価を170ドルから215ドルに引き上げました。評価は「オーバーウェイト(買い推奨)」を維持しています。
モルガン・スタンレー:ガイダンスを評価し、210ドルに引き上げ
モルガン・スタンレーもエヌビディアのガイダンスに注目し、「中国を除いた売上予想540億ドルは、我々の予想(525億ドル)や市場の期待(540〜550億ドル)を上回る」とコメントしました。中国の不確定要素を除いても好調な見通しを評価し、目標株価を206ドルから210ドルに引き上げ、同様に「オーバーウェイト」を継続しています。
キーバンク:ネットワーキングを高評価、230ドルに引き上げ
キーバンクは、データセンター部門の売上が横ばいであった点を指摘しつつも、ネットワーキング部門の46%成長を高く評価しました。これを受けて目標株価を230ドルに引き上げ、「オーバーウェイト」の評価を継続しています。
DAデビッドソン:中立を維持しつつ195ドルに引き上げ
DAデビッドソンは、「データセンター部門の売上がわずかに期待を下回った」としつつも、AIアルゴリズムの進化により今後もコンピューティング需要が継続するとの見方を示しました。中国市場でのH20チップの販売制限を懸念し、評価は「ニュートラル(中立)」を据え置いたものの、目標株価は135ドルから195ドルに引き上げました。
トゥルイスト:エヌビディアは「AI企業」、目標株価は228ドルに
トゥルイストは、「エヌビディアは依然としてAI企業の中核である」との強い見解を示し、目標株価を228ドルに引き上げました。評価は引き続き「オーバーウェイト」です。
まとめ:強気継続が大勢も、中国リスクは警戒材料
多くのアナリストがエヌビディアのガイダンスやAI需要を好感して目標株価を引き上げる一方、中国市場の不透明感を懸念する声も見られました。AIインフラのリーダーとしての地位は維持しつつも、地政学リスクの影響が今後の株価にどう影響するかは注視が必要です。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA
🎧この記事は音声でもお楽しみいただけます。AIホストによる会話形式で、わかりやすく、さらに深く解説しています。ぜひご活用ください👇