エヌビディア(NVDA)の2025年第2四半期決算発表(8月27日の米国市場終了後)が目前に迫っています。AI関連株の中心に位置する同社の決算は、今回も市場参加者から最も注目されるイベントです。直前に注目すべきポイントを整理しました。
ウォール街の高い期待値
株価は前回決算から約35%上昇しており、投資家の期待は非常に高まっています。アナリスト予想は売上高460.5億ドル、前年同期比53%増、調整後EPSは1.01ドル。さらに今期の売上高予想は534億ドル、EPSは1.20ドルと見込まれています。高すぎる期待値は決算後の株価変動要因になり得ます。
AIサーバーラックの量産進展
エヌビディアのGB200/GB300 NVL72 ブラックウェル・サーバーラックは72基のGPUを1つのラックに収め、従来比で大幅な性能向上を実現しました。ジェンスン・フアンCEOは量産が順調に進んでいることを明らかにしており、大口顧客への出荷拡大が今後の売上を押し上げる可能性があります。主要サプライヤーのフォックスコンは、今期のAIサーバー売上が前期比で3倍に達する見通しを示しており、サーバー市場の急拡大が追い風となっています。
中国市場の不確実性
中国規制当局はH20チップに「セキュリティリスク」があるとして説明を求めるなど、再び逆風が強まっています。4月には米政府の規制で販売禁止、7月には一転してライセンス承認と、状況が二転三転しており、投資家は安定収益源としてカウントしにくい状況です。ただし、米中政府との協議次第で流れが変わる可能性も残されています。
ロボット市場への新展開
新製品「Jetson Thor」はロボット向けに設計された最新ソリューションで、従来比最大7.5倍のAI処理能力を持ちます。フアンCEOは決算説明会でヒューマノイドロボット市場への期待を語るとみられ、エヌビディアの成長分野として新たに注目が集まりそうです。
投資家への示唆
短期的なボラティリティは避けられないものの、エヌビディアの長期的なファンダメンタルズは依然として強固です。大手テクノロジー企業はデータセンター投資を拡大しており、2026年には新規GPUクラウドやソブリンAIプロジェクトなどで約1,000億ドル規模の追加収益機会が見込まれています。AIラックサーバーの量産効果が本格化することで、今後数四半期にわたり堅調な業績が期待されます。
投資家にとって重要なのは短期の変動に振り回されず、需要拡大という長期テーマを見据えて保有を続けることです。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA
🎧この記事は音声でもお楽しみいただけます。AIホストによる会話形式で、わかりやすく、さらに深く解説しています。ぜひご活用ください👇