ウォルマート株が急落!好決算でも売られた理由とは?

  • 2025年8月22日
  • 2025年8月22日
  • BS余話

2025年8月21日、米小売大手のウォルマート(WMT)は2025年度第2四半期の決算を発表しました。売上は市場予想を上回り、通期のガイダンスも引き上げられたものの、1株あたり利益(EPS)が市場予想を下回ったことで株価は4%以上下落しました。

売上は堅調でもEPSが市場予想を下回る

今回の決算で、ウォルマートの売上高は前年同期比4.8%増の1774億ドルとなり、ファクトセット調べのアナリスト予想である1759億ドルを上回りました。

一方で、調整後1株利益は68セントとなり、予想の73セントを下回りました。会社によれば、法務関連の費用や構造改革にかかる一時的な費用、投資利益の除外が影響しているそうです。

ウォルマートの株価は、今後の成長期待が高く、株価収益率(PER)が36倍と割高な水準にあるため、小さな期待外れでもネガティブに受け取られやすい状況です。

米国事業の好調と今後の見通し

ウォルマートの米国内同店売上高は4.5%増となり、競合他社を上回る伸びを示しました。特に、食料品や日用品といった主力カテゴリーでの販売が好調で、価格ロールバックやオンライン販売の強化が功を奏した形です。

同社は、こうした販売の勢いを受け、2025年度の売上成長率見通しを従来の3.0〜4.0%から、3.75〜4.75%に上方修正しました。調整後1株利益も、従来の2.50〜2.60ドルから2.52〜2.62ドルへとわずかに引き上げました。

第3四半期については、売上成長率を3.75〜4.75%、1株利益を0.58〜0.60ドルと見込んでおり、いずれも市場予想(それぞれ3.8%、0.57ドル)とほぼ一致しています。

消費者行動の変化と今後の戦略

ウォルマートのダグ・マクミロンCEOは、現在のところ大きな消費者行動の変化は見られないと述べつつも、関税によるコスト上昇が在庫補充時に徐々に影響してきていることを認めました。中低所得層の家庭では、すでに支出を調整する動きが出始めているとのことです。

特に裁量支出に関わる商品の価格上昇が、販売数量の減少に影響を及ぼしており、消費者の価格への耐性が弱まっていることが示されています。

このようなインフレ疲れに対応するため、ウォルマートは今後さらに価格を引き下げる方針です。同社は規模の優位性を活かし、仕入れ価格の引き下げ交渉力を持っており、こうしたコスト圧力を自社内で吸収せずに済む仕組みを築いています。

価格重視の戦略がウォルマートの強みに

アナリストらは、ウォルマートが持つ「価格へのこだわり」と「市場シェアの拡大戦略」が今後の安定成長を支えると評価しています。たとえ関税や経済環境に不透明感があっても、バリュー重視の姿勢が競合他社との差別化につながるとの見方が広がっています。

ウォルマートは今後も、厳しい経済環境下で消費者の支持を集め続ける存在として、投資家の注目を集めることになりそうです。

*過去記事「【速報】ウォルマート決算発表!関税リスクの中で株価はどう動く?

🎧記事の内容をそのまま耳からインプット!AIホストによる会話形式で分かりやすくまとめています。読み流す時間がない方も音声でチェックしてみてください。👇

最新情報をチェックしよう!