2025年8月21日、アルファベット（GOOGL）は最新スマートフォン「Pixel 10」シリーズを発表しました。発表会では人工知能（AI）の統合が強調され、同時にアップル（AAPL）のiPhoneに対する挑発的なメッセージも見られました。Pixel 10は8月28日に発売されます。
アップルを意識した発言と発表の狙い
アルファベットのデバイス＆サービス部門シニアバイスプレジデントであるリック・オスターロー氏は、「多くの誇大広告と約束の破綻があった」と述べ、繰り返し遅延しているアップルのSiriのAIアップデートを暗に批判しました。Pixel 10のティザー広告でもiPhoneユーザーに機種変更を促すような表現が使われていました。
Pixel 10の注目AI機能
新モデルには以下のようなAI機能が搭載されています。
- Magic Cue（メールやカレンダー、メッセージから関連情報を提示）
- リアルタイム音声翻訳
- 生成AIによる写真編集
人気レビューアーのマークエス・ブラウンリー氏は「Pixel 10は過去の通話スクリーニング機能のように、ユーザーを惹きつける決定的な要素になる可能性がある」と評価しています。
価格とスペックの進化
Pixel 10は前モデルと同価格帯を維持し、標準モデルは799ドル、Proモデルは999ドルです。加えて、処理能力の向上、バッテリー寿命の改善、マグネット式ワイヤレス充電機能が新たに搭載されています。
アップルへの脅威度は限定的
とはいえ、Pixelの市場シェアは依然として小さく、2025年第2四半期の米国市場でのシェアはわずか3％にとどまっています。一方、アップルは49％を占めており、iPhone 17の発表も控えています。ユーザーが他社製品に乗り換える可能性は低く、Pixel 10が直接的にアップルのシェアを奪う可能性は限定的です。
サムスンなど他社への波及効果
今回のPixel 10は、単にGoogleの端末にとどまらず、AI機能「Gemini」を中心としたエコシステムをアピールする役割も担っています。サムスン電子の最新モデルでもGeminiが標準搭載されており、Android全体への普及効果が期待されています。
アルファベット株とアップル株の対照的な動き
アルファベット株は過去1年間で20％上昇したのに対し、アップル株はわずか0.2％の上昇にとどまっています。検索ビジネスへのAI影響が懸念される中でも、ハードウェアとAIの統合戦略が評価されていることが背景にあります。
まとめ
Pixel 10シリーズはアップルに直接的な脅威を与える存在ではないものの、AIを軸にしたGoogleの戦略を体現しています。スマートフォン市場におけるシェア拡大よりも、Android全体にAI機能を浸透させる足がかりとして重要な意味を持つモデルとなっています。
＊過去記事 アルファベット GOOGL
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