米国市場ではテクノロジー株が再び調整局面に入り、投資家の間で「ビッグテックの上昇相場はピークを迎えたのか」という見方が広がっています。投資情報メディア「マーケットウォッチ」の8月20日付けの記事では、バンク・オブ・アメリカの分析を中心に、この動きの背景が解説されています。
ナスダックの下落と注目銘柄の動き
2025年8月20日の取引で、ナスダック総合指数(COMP)は0.67%の下落となりました。前日の1.5%安に続き、2日連続の大幅な下げです。個別では、エヌビディア(NVDA)が19日の寄り付きから約4%下落し、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)は6営業日連続の下げで累計16%安となっています。さらに、インテル(INTC)は7%近い急落を記録しました。
バンク・オブ・アメリカの分析:大型株からの資金シフト
バンク・オブ・アメリカの米国株式戦略責任者であるサビタ・スブラマニアン氏は、景気サイクルの転換が始まったと指摘しています。同社の「レジーム指標」によると、米国経済は「景気後退」から「回復」局面に移行しつつあり、過去のデータではこの段階で大型株が市場全体に劣後する傾向が確認されています。S&P500の上位50銘柄は、残り450銘柄に比べて年間で平均3.3ポイント遅れを取るケースが多いとされています。
さらに、9月に見込まれる利下げ局面では、低PERのバリュー株がグロース株を上回ることが多く、巨大テック株から幅広い銘柄への資金移動が起こる可能性が高いと分析しています。
AIブームとテック株の評価
現在の市場ではAI関連投資が引き続き注目を集めていますが、エヌビディアの予想PERは34倍超、パランティアは156倍と高水準にあり、バリュエーション面で割高感が強まっています。一部ではAI投資バブルの懸念も浮上しており、今回の下落もその反映とみられます。
楽観的な見方も存在
一方で、ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブス氏は依然として強気です。短期的な関税やインテル関連の不透明感はあるものの、AI需要の基盤は揺るがず、今回の下げは買いの好機だと主張しています。特にパランティアについては「今後2〜3年で時価総額1兆ドルに達する可能性がある」とコメントしています。
今後の焦点
市場参加者にとっての次の注目は、エヌビディアの第2四半期決算発表です。AI関連投資が本当に持続可能なのかを占う重要な材料となり、ビッグテック株の行方を大きく左右する可能性があります。
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