人工知能(AI)の普及は「電力革命」を引き起こしつつあります。メリウス・リサーチは、データセンターの電力需要急増を背景に、独立系発電事業者(IPP)が最大の恩恵を受けると分析しています。その中でも、コンステレーション・エナジー(CEG)、ビストラ(VST)、ネクステラ・エナジー(NEE)、NRGエナジー(NRG)、タレン・エナジー(TLN)の5社に「買い」推奨を出しました。
データセンター需要が電力株を押し上げる
メリウスのアナリスト、ジェームズ・ウェスト氏とサンスクリティ・レディ氏は、AIコンピューティングの拡大によりデータセンターの電力需要が爆発的に増加すると指摘しています。2025年には82ギガワットだった需要が、2030年には219ギガワットへと急増すると予測されています。早ければ2026年にも需要が供給を上回る可能性があるとしています。
独立系発電事業者(IPP)の強み
規制を受ける公益企業とは異なり、IPPは柔軟にデータセンターと電力購入契約(PPA)を結び、長期にわたる安定したキャッシュフローを確保できます。この安定性から、インフラ投資として高い価値を持つ存在になるとメリウスは評価しています。
メリウスが選ぶ有力株
推奨された5銘柄の中でも、コンステレーション・エナジー、NRGエナジー、ビストラが特に有力とされています。これらの株は2025年にすでに35%以上上昇していますが、データセンター需要の増加を背景に、さらなる成長余地があるとみられています。
石油・ガス関連株への視点
メリウスは同時に、ハリバートン(HAL)やシュルンベルジェ(SLB)といった油田サービス企業や、ダイヤモンドバック・エナジー(FANG)、コノコフィリップス(COP)といった石油生産企業にも買い推奨を出しています。再生可能エネルギーへの期待が根強い一方で、AI時代のエネルギー需要を支えるのは依然として石油や天然ガスだと指摘しています。
天然ガスと原子力の重要性
現在、データセンター電力の50~60%を供給している天然ガスの消費は今後さらに拡大する見通しです。また、長期的には原子力がすべての電源を上回る存在になると予測されています。原子力は24時間安定供給が可能であり、AIを支える基盤エネルギーとしての役割が強調されています。
このように、AI時代のエネルギー需要拡大は電力会社やエネルギー企業に新たな投資機会をもたらしています。メリウスの推奨する独立系発電事業者5銘柄は、まさに「AIゴールドラッシュのためのシャベル」として注目すべき存在です。
*過去記事「タレン・エナジーなど電力株が急騰!PJMオークションで何が起きたのか」
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