ロケット・ラブ株が好材料にもかかわらず急落した理由

  • 2025年8月20日
  • 2025年8月20日
  • BS余話

ロケット・ラブ(RKLB)は8月19日、ロケット「エレクトロン」の70回目となる打ち上げ予定を発表しましたが、株価は9%下落し40.92ドルで取引を終えました。

同社は「Live, Laugh, Launch」と名付けられたミッションを8月23日以降にニュージーランドから実施予定で、5基の衛星を機密顧客向けに打ち上げる計画です。本来はポジティブな発表ですが、株価は逆に売られる展開となりました。

利益確定売りと株価動向

株価下落の要因の一つは利益確定売りです。2025年の年初から株価は約77%上昇しており、短期的な売りが出たとみられます。

同日、8月7日に上場したファイアフライ・エアロスペース(FLY)の株価も6.5%下落し45.48ドルとなりました。同社はIPO価格45ドルで公開され、初日は60ドルを超えましたが、その後は上昇分を吐き出しています。

トランプ大統領の大統領令と規制緩和効果

ロケット・ラブの株価は直近、トランプ大統領が8月13日に署名した大統領令によって支援を受けていました。この大統領令は打ち上げや再突入の承認手続きを迅速化し、規制負担を軽減するもので、商業宇宙企業にとって追い風となります。

キャンター・フィッツジェラルドのアナリスト、アンドレス・シェパード氏は「この大統領令はロケット・ラブや直近上場したファイアフライ、そしてインテュイティブ・マシーンズ(LUNR)にとって直接的な利益となる」と指摘しています。

ニュートロンロケットと成長期待

シェパード氏はロケット・ラブ株を「買い」と評価し、目標株価を54ドルとしています。特に注目されるのは、同社が開発中の「ニュートロン」ロケットです。ニュートロンは既存のエレクトロンよりも大幅に大きな積載能力を持ち、2025年に初打ち上げが計画されています。

経営陣によると、ニュートロンは2025年に1回(売上計上はなし)、2026年に3回、2027年に5回の打ち上げを目指しており、打ち上げペースが上がることで売上成長につながる見込みです。

アナリストの評価

ウォール街の見方も比較的強気です。ファクトセットによると、ロケット・ラブをカバーするアナリストのうち69%が「買い」と評価しており、S&P500銘柄の平均である55%を上回っています。平均目標株価は約46ドルとされています。

ロケット・ラブは短期的な株価調整局面にありますが、長期的には打ち上げ能力の拡大や規制緩和を追い風に、成長余地が大きい企業として注目されています。

*過去記事「ロケット・ラブ、第2四半期決算は予想を上回るも株価は小幅上昇

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