AI面接は人間より優秀?採用率12%改善の研究結果

  • 2025年8月20日
  • 2025年8月20日
  • BS余話

米国メディア「The Information」によると、シカゴ大学とロッテルダム大学の研究チームが発表した新しい調査で、AIによる面接が人間による面接よりも候補者の採用率を高める可能性があることが明らかになりました。

研究は、フィリピンに拠点を置くカスタマーサービスの応募者7万人以上を対象に行われ、43社(うち23社はフォーチュン500企業)の採用プロセスを分析しました。候補者はランダムに人間面接官、AI面接官、または両者から選択する形で面接に臨みました。

採用率と定着率が向上

研究の結果、AIによる面接を受けた候補者は、人間面接官による面接を受けた場合と比べて採用される確率が12%高く、実際に入社して1か月後も職にとどまっている割合が6%高かったといいます。

人間の採用担当者は当初、AIが面接で不利に働くと予想していましたが、結果は逆でした。研究者のブライアン・ジャバリアン氏は「AIは候補者の発言を遮らず、より多くのシグナルを収集できる」と説明しています。

候補者の多くはAI面接を選択

面接前にAIと人間のどちらを希望するかを選べた候補者のうち、78%がAI面接を選んだという点も注目されます。AIの方が公正で話しやすいと感じる応募者が多いことが示されています。

企業によるAI活用の拡大

採用や面接などの人事業務は、オープンAI、アンソロピック、アマゾン、グーグルなどの音声AI技術の普及により自動化が進んでいます。今回の研究でも使用されたAIモデルの詳細は明かされていませんが、研究チームと人材サービス企業PSG Global Solutionsは、今後さらにAIの活用範囲を人事の他分野に広げる研究を行う予定です。

ジャバリアン氏は「数百万人規模の候補者において、たった1%でも採用の質が向上するなら、その影響は非常に大きい」とコメントしています。


この研究結果は、AIが人事領域において単なる効率化の手段ではなく、採用の質そのものを高める可能性を持つことを示唆しています。人間とAI、どちらが面接に向いているのかという議論は今後さらに注目を集めそうです。

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