米電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)が展開するロボタクシー事業について、アナリストから新たな評価が出ています。ウィリアム・ブレア証券のジェド・ドーシャイマー氏は、テスラのサービスを実際に体験した上で「競合と比較して即座に違いが分かる」とコメントしました。
テスラのアプローチと競合との差別化
テスラは2025年6月22日から米テキサス州オースティンで小規模なロボタクシーサービスを開始しました。同社は光学カメラと自社開発の完全自動運転ソフトウェア「フルセルフドライビング」を用い、ライダーやLiDARといった高価なセンサーに依存しない戦略を取っています。
一方、アルファベット(GOOGL)のウェイモやアマゾン(AMZN)傘下のズークスは複雑なセンサー群を搭載しており、そのコスト差は大きいと指摘されています。
コスト優位性とサービス体験
ドーシャイマー氏は「テスラのロボタクシーはウェイモの半額で、より高級感があり、人間らしい運転に感じられた」と述べています。これはテスラにとって大きな競争優位となる可能性があります。
ウェイモはすでに週25万件以上の完全自動運転ライドを提供するなど実績面では先行していますが、テスラの価格と体験の両面での強みは投資家にとって注目点です。
トランプ大統領とテスラの技術
ホワイトハウスで行われたイベントでは、トランプ大統領がイーロン・マスク氏から直接テスラ車を購入し、その技術に感銘を受けた場面も報じられています。この政治的な注目もテスラのロボタクシー事業の認知度を高める一因となっています。
アナリスト評価と株価影響
ドーシャイマー氏は、テスラのロボタクシー事業だけで1株当たり約300ドル、時価総額にして9,000億ドル以上の価値があると試算しています。同氏はテスラ株の投資判断を「ホールド」としていますが、事業別に分けた合算評価(サムオブザパーツ方式)では1株あたり約360ドルと見積もっています。
テスラ株はロボタクシーイベントを開催した2024年10月以降、約40%上昇し、時価総額で3,000億ドル以上を積み増しています。
株価動向と今後の展望
テスラ株は、ロボタクシーサービス開始からの8週間で株価は方向感に欠けながらも堅調に推移しています。S&P500やダウ平均が横ばい圏で推移する中、テスラは自動運転・ロボタクシーという新しい成長ドライバーを示すことで市場の注目を集め続けています。
この流れが長期的に持続すれば、テスラの株価にとって重要な成長エンジンとなる可能性があります。
*過去記事はこちら テスラ TSLA
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