パロアルトネットワークス決算好調、売上拡大で株価上昇

  • 2025年8月19日
  • 2025年8月19日
  • BS余話

パロアルトネットワークス(PANW)は8月18日に発表した2025年度第4四半期の決算で売上と利益が市場予想を上回りました。売上は25億4,000万ドルとなり、前年同期比16%の増加でした。通期では92億ドルの売上を記録し、前年から15%成長しています。調整後1株利益は95セントで、アナリスト予想の89セントを超えました。年間の1株利益は3.34ドルと、こちらも予想を上回っています。

受注残高と成長見通し

同社は今後の売上につながる契約残高(RPO)を158億ドルと発表しました。これは市場予想の153億ドルを上回り、前年から24%の増加です。CEOのニケシュ・アローラ氏は、「2025年度を加速したRPOで終え、年間売上高100億ドルのマイルストーンを突破した」と述べ、今後の持続的成長に自信を示しました。

プラットフォーム戦略の成果

パロアルトネットワークスは近年、「プラットフォーム化」を推進しています。これは単体のセキュリティ製品を販売する従来型のビジネスから、統合型のプラットフォームソリューションを提供する方向にシフトする戦略です。この取り組みが顧客獲得と市場シェア拡大の原動力となっており、株価の上昇を後押ししました。

今後のガイダンスと市場予想

同社は2026年度第1四半期の売上を24億5,000万ドル〜24億7,000万ドルと予想し、市場予想の24億4,000万ドルを上回りました。通期売上は104億7,500万ドル〜105億2,500万ドルと見込んでいます。また、次四半期のRPOについても154億ドル〜155億ドルを予想しており、こちらも市場予想を上回っています。

経営陣の交代とAI分野での優位性

創業者で最高技術責任者(CTO)のニル・ズック氏が引退し、現最高製品責任者のリー・クラリッチ氏が最高製品・技術責任者に就任することが発表されました。経営体制の移行により、今後の製品戦略の継続性と強化が期待されています。

ウォール街のアナリストは強気の見方を示しています。ウェドブッシュ証券のダン・アイブス氏は、人工知能の普及とクラウドシフトによってサイバーセキュリティ市場が拡大すると予測し、パロアルトネットワークスがその中心的存在になると評価しました。

株価動向

2025年に入ってから同社株は横ばい傾向で推移し、年初来で約3%下落しています。一方でS&P500指数は約10%上昇しており、相対的には劣後していました。しかし今回の決算発表を受け、株価は時間外取引で約6%上昇しました。

*過去記事「パロアルトネットワークス株急伸、パイパーサンドラーが「買い」に格上げ

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