米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏がユナイテッドヘルス・グループ(UNH)の株式を購入したことが、マーケットで大きな話題となっています。ウォール街が売りに傾く中で買いに動くのは、まさに「クラシックなバフェット流」の投資行動といえます。
ユナイテッドヘルス株が敬遠された背景
同社の株価は第2四半期に40%以上下落し、2008年以来の大幅な下げを記録しました。その要因としては、医療費の急上昇、政府による調査や規制強化、そして薬価引き下げ圧力などがあります。さらに、投資家が最も知りたかった時期に通期見通しを撤回し、CEOの退任も重なり、不安心理が広がりました。
バフェットが注目したポイント
そんな中でバークシャー・ハサウェイは5百万株以上を取得しました。バフェット氏が好むのは、単なる割安株ではなく「一時的に傷ついた優良企業」です。ユナイテッドヘルスはダウ平均構成銘柄でもあり、安定した配当(利回り2.9%)も魅力です。保険事業に精通しているバフェット氏は、価格決定力は一時的に失われても、いずれ回復すると見ています。
株価の反発と投資家心理の変化
このニュースを受けてユナイテッドヘルスの株価は8月15日の米国市場で12%上昇しました。医療保険大手のセンティーン、エレバンス、モリーナも上昇し、セクター全体に買いが広がりました。医療セクターはS&P500の中で年初来最も不調な分野でしたが、割安感が指摘されており、今後注目される可能性があります。
投資家への示唆
今回の動きは、バフェット氏が短期的な底値を狙うのではなく、長期的に価値が見直されると確信した銘柄に資金を投じる姿勢を示しています。ユナイテッドヘルス株は一時安値から反発しましたが、依然として過去の水準には届いておらず、今後も議論が続くと予想されます。
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