アプライド・マテリアルズ(AMAT)は10月期の売上高予想を発表し、その中央値を67億ドルとしました。これは市場予想の73億3,000万ドルを下回る水準です。同社のゲイリー・ディッカースンCEOは、中国事業を含むマクロ経済や政策環境の不透明感が高まっており、短期的な需要見通しが悪化していると述べました。この発表を受けて、株価は8月15日の米国市場で13.76%安の162.34ドルまで下落しました。同社の主要顧客にはインテル(INTC)や台湾積体電路製造(TSMC)が含まれます。
中国需要の鈍化と市場集中化
ディッカースンCEOは、決算後のバロンズとのインタビューで、中国の一部顧客が過去の購入分を消化中であることを明らかにしました。また、先端ロジック向け半導体製造装置の需要に「ばらつき」があり、顧客の購買力がTSMCに集中している状況も指摘しました。特にインテルは今後の設備投資規模を縮小しており、TSMCから顧客を奪う戦略が想定通り進んでいないとみられます。
インテルの投資縮小がもたらす波紋
インテルは、最新プロセス「18A」で大口顧客を獲得できず、先月にはファウンドリー事業への投資計画を引き下げました。リップ・ブー・タンCEOは社内メモで「白紙委任はもうない。すべての投資は経済的合理性が必要だ」と強調しました。インテルの投資抑制は、アプライド・マテリアルズをはじめ、KLA(KLAC)やラムリサーチ(LRCX)などの先端製造装置メーカーにとって逆風となります。
TSMC優位の加速と業界全体への影響
インテルの設備投資縮小はTSMCへの競争圧力を弱め、新設備導入への積極性を低下させる可能性があります。これにより、TSMCは装置メーカーとの価格交渉で有利な立場に立ちやすくなります。その結果、半導体製造装置メーカー全体の売上成長にもブレーキがかかる懸念があります。15日の市場では、KLAとラムリサーチの株価がいずれも7〜8%超下落し、投資家が同様の懸念を抱いていることが示されました。
*過去記事「アプライド・マテリアルズ決算速報!AI特需でも株価5%急落、その理由とは?」
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